介護福祉士は、介護職者の中でも「社会福祉及び介護福祉士法」に基づいた国家資格を有した職種になります。
介護職者の中でも国家資格を持っている職種は多くありません。介護福祉士は、資格手当てなどが付くため、介護職の中でも待遇は比較的良いといえます。介護職者には、そうした国家資格である介護福祉士を目指している人も少なくありません。
そのため、介護職者として働く上で、介護福祉士の役割について知っていることは大切です。
介護職者に限ったことではありませんが、自分自身が働く業界に関する職業の役割について知っておくことは、提供するサービスの質を高めるだけでなく、あなた自身の今後における働き方に大きく影響する可能性があります。
そこで今回は、「介護福祉士の役割」について解説します。
利用者の自立を支援する
介護福祉士は、社会福祉士と精神保健福祉士と並んで、「福祉系三大国家資格」と呼ばれるものの1つにになります。身体介護や生活援助などの社会福祉業務に関わる職種であり、社会福祉の専門家として利用者の自立を支援する役割があります。
身体的、精神的な障害によって日常生活に支障が出ている利用者に対しての介護はもちろんのこと、利用者の家族といったような、介護者に対しても介護に対する指導を行う役割があります。
看護師などが医学的な視点で利用者の身体を捉えてケアしているのに対して、介護福祉士はもっと広い視点で、利用者の生活全体を見ながら自立を支援します。
例えば、バイタルの変化や病気の有無といった医学的な問題は、看護師などが対応します。その一方で介護福祉士は、利用者のライフスタイルや考え方、生活環境など、生活をさまざまな視点から捉えて、その人の自立を支援していくという役割があります。
そのため、介護福祉士として仕事をするためには、介護技術はもちろんのこと、コミュニケーションや人間の心に関することなど、さまざまなことを学ばなければいけません。
利用者とのコミュニケーションが重要
介護福祉士の役割は、利用者をさまざまな視点から多面的に捉えて、その人の自立を支援することにあります。そして、そのための1つの手段として、一般的に介護福祉士の仕事と考えられているような身体介護があります。
ただ既に述べたように、介護技術だけでは利用者の生活を多面的に捉えることができず、自立支援を上手く行うことができません。特に介護福祉士は、利用者の心理を理解し考慮した上で、利用者の生活をサポートしていくことが大切になります。
そして介護福祉士は、特に利用者とのコミュニケーションをしっかりと行うことが重要です。
例えば、介護福祉士は利用者の体に触れて介護を行います。その際に、利用者が「触られたくないところ」や「利用者自身ができる動作」を事前に確認しておかないと、過剰な介護を行ってしまうことにつながります。
また、利用者の中には、脳梗塞などで言語障害を持っている人が少なくありません。そうした場合には、言語によるコミュニケーションだけではなく、身振り手振りといったような、言葉を使わないコミュニケーションを行わなければいけません。
いくら言語が通じないからといって、コミュニケーションを怠ってしまうと、必ず問題が出てきます。
例えば、体に痛みがある人で言語でのコミュニケーションができない人がいるとします。そうした人に対して身体介護を行う場合には、動作時に相手の表情を観察しながら介護を行わなければいけません。そうしないと、あなたが良かれと思って行っている介護が、逆に利用者の痛みを悪化させることにつながる可能性があります。
このように、介護福祉士が利用者の自立を支援していく上では、コミュニケーションが非常に重要だといえます。
今回述べたように、介護福祉士の一番の役割は、「社会福祉の立場から利用者の自立を支援する」ということだといえます。そのための1つの手段として、身体介護といったものがあります。
また、そうした介護福祉士の役割を全うするためには、介護技術はもちろんのこと、相手とのコミュニケーションを上手くとることが重要になります。
そのため介護福祉士は、コミュニケーションについて学び、利用者とコミュニケーションをしっかりと取る努力を行うことが大切です。そうすることで、より相手の自立をスムーズに促すことができるようになります。
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