介護福祉士などの介護職者には、男性より女性が多いです。そのため、妊娠や出産などを経験する人が少なくありません。
ただ介護の仕事は、他の仕事と比較しても肉体的にも精神的にもハードであることが多いです。そのため、そうした妊娠や出産中に、仕事で苦労する人がたくさんいます。
これから妊娠や出産を考えている人は、そうした妊娠中に起こりやすい苦労を知っておくことで、職場選びなどの参考にすることができます。
そこで今回は、「妊娠中の介護福祉士が感じる苦労」について解説します。
つわりによる体調不良
妊娠中に働いている人が共通して苦労することが、「悪阻(つわり)」です。中には、全くつわりを感じないという人もいますが、ほとんどの人は妊娠期間中に少なからず体の不調を感じます。
つわりがひどいと、普通に仕事をするのも大変になります。その上、介護の現場では、どうしても湿布(シップ)のニオイが強い人や、尿臭がする利用者もいます。つわりのときには、そうした普段は気にならないようなニオイも不快に感じるようになります。
介護福祉士の現場では、こうしたニオイによって、つわりがより増悪させられやすいといえます。
また、介護福祉士に限ったことではありませんが、つわりがひどいときには働くことができないような状態になることもあります。
そうした場合に、「現場の管理者、職員はつわりを理解してくれるのか?」「急に休むことができるような職場であるか?」といったことは、とても重要です。特に、上司が妊娠や出産などの女性特有のライフイベントに理解がない場合、妊婦は非常に苦労することになります。
このようにつわりは、介護福祉士の仕事内容という面でつらいことがあります。また、介護福祉士に限ったことではありませんが、つわりに対する周りの理解がない職場であれば、無理して仕事をしなければいけないようになる可能性が高いということを知っておいてください。
介護という仕事のハードさ
つわりが落ち着いてくると、仕事自体はだいぶ楽になります。ただ、少し時間が経つと、今度はお腹が大きくなってきます。妊娠でお腹が出てくると、介護福祉士としては非常に仕事が行いにくくなります。
例えば、送迎時の乗り降りで、車への移動で台などの道具を利用しなければいけない人は少なくありません。そうした場合、介護福祉士は、そのときに必要な道具を車から運び出さなければいけません。
このようなときには、前かがみになって道具を持たなければいけないことがほとんどです。普段であれば負担を感じないような動作ですが、妊娠中に前かがみになる動きは非常に大変です。そして、その姿勢で思い道具を持つとなると、さらに難しくなります。
その他にも、入浴介助や起居動作などに介助が必要な場合は、屈んだり抱えたりする場面が多くなります。そうなると、お腹が大きくて動作が行いにくだけでなく「切迫早産」という心配も出てきます。
このように介護福祉士は、介護という仕事内容で苦労する人が多くいます。
そのため、将来的に妊娠を考えている人は、スタッフの理解だけでなく利用者の介護度、業務内容など、働く環境をさまざまな視点から考慮することが大切です。
家事と仕事の両立
介護福祉士に限ったことではありませんが、女性は妊娠中でいつも以上に仕事で体が疲れていても、帰宅後は家事を行わなくてはいけません。
例えば、旦那さんのご飯を作ったり洗濯物をしたりと、行わなければいけないことがたくさんあります。
ただ、やはり妊娠中は、同じ仕事を行っても体にかかる負担は、妊娠以前とは比べ物にならないくらい大きいものです。特に、介護の仕事は肉体的にも精神的にもハードな内容のものが多いです。
そのため、妊娠中で仕事をしている介護福祉士には、こうした家事の大変さに苦労する人は少なくありません。
今回述べたように、介護福祉士が妊娠中に仕事を行う際には、「つわりによる体調不良」「介護という仕事のハードさ」「家事と仕事の両立」という3点で苦労する人が多いです。
介護福祉士に限らず、何の職種でも同じですが、特に介護の仕事はハードであるため、こうした苦労を感じる人が多いようです。そのため、女性で介護福祉士として働く場合には、こうした現状を知った上で職場を選択することが大切です。
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