1日デイサービスへの転職で介護福祉士が苦労すること
介護福祉士における転職先の1つに、デイサービス(通所介護)があります。そして、一言でデイサービスといっても、リハビリに特化しているようなデイサービスや、レクリエーションを中心としたデイサービス、認知症ケアに力を入れているデイサービスなど、施設の特徴はさまざまです。
また、利用者の利用時間によって、3時間程度の短時間しか滞在しないようなデイサービスから、7~9時間と1日利用されるデイサービスまであります。
その中でも、利用者が1日利用されるような長時間デイサービスに転職する介護福祉士は少なくありません。そして、そうした利用者が1日滞在するデイサービスでは、短時間利用のデイサービスなどとは、サービスの特徴が大きく異なります。
もし、長時間デイサービスの特徴や注意点を理解しないまま転職してしまうと、入職後にミスマッチが起こる可能性があります。
そのため、介護福祉士が転職する際には、そうした長時間デイサービスの特徴や注意点などを理解しておくことが大切です。そうすることで、転職後のミスマッチを少なくすることができます。
そこで今回は、「1日デイサービスへの転職で介護福祉士が苦労すること」について解説します。
残業が多い
介護福祉士がデイサービスで働く場合、避けられないものとして「レクリエーション」があります。
デイサービスでは、レクリエーションを通して利用者を楽しませたり、運動、認知機能などの向上を図ったりします。デイサービスの利用者の中には、こうしたレクリエーションを楽しみにデイサービスへ通われる人が少なくありません。
例えば、カラオケやクイズなど、利用者がみんなで楽しめるようなレクリエーションは、利用者だけでなく介護職員も一緒になって楽しむものです。
そのため、介護福祉士などの介護職者は、こうしたレクリエーションの準備を日々行わなければいけません。毎回同じ内容では、利用者が飽きてしまうため、レクリエーションにもバリエーションを持たせるために、日々新しいレクリエーションについて考える必要があります。
ただ、こうしたレクリエーションの準備は、業務後や休憩時間を通して行わなければいけません。
デイサービスでの業務中は、レクリエーションを行ったり、入浴や食事などの介助を行ったりと、常に仕事をしている状態であるため、そうした準備をする余裕はありません。特に、デイサービスなどの介護保険施設では、常に利用者の行動に目を向けている必要があります。
つまり、利用者が帰宅された後にしか、レクリエーションの準備を行うことができません。
そうなると、必然的に残業が多くなります。特に、書類業務が多くなる月末や、季節ごとのイベントなどの準備が重なるときには、毎日残って作業を行います。
このように、介護福祉士がデイサービスへ転職する際には、残業を行うことが非常に多くなる可能性が高いということを知っておいてください。中には、給与の中に「固定の残業手当」が付いている職場もあるため、そうしたことも確認しておいてください。
固定の残業手当が付いているようなところであれば、ほとんど間違いなく残業が多い職場だと考えてください。
入浴介助が大変
利用者が7時間滞在するような1日デイサービスで働く場合、一番大変と感じるのが「入浴介助」です。長時間のデイサービスの場合、基本的には入浴サービスを行っているところがほとんどです。
そして実際に、利用者やケアマネージャーの中には、こうした入浴サービスを重視して通所する施設を選ぶ人が少なくありません。
ただ、こうした入浴サービスは、介護福祉士にとってはとてもハードな仕事になります。特に介護度が高い人が多く、入浴介助用のリフトが無いような施設であれば、入浴介助は非常に大変になります。
例えば、1日40人の利用者がいるようなデイサービスであれば、入浴担当のスタッフは、1日中入浴介助を行っていることになります。また、どれだけ利用者の人数や介護度が高い人が多くても、入浴介助に充てることができるスタッフの人数は限られています。
そのため、1日で全ての利用者の入浴を行うためには、効率良く行う必要があります。
実際に、3人のスタッフで、平行して7人の利用者の入浴介助を行うようなこともあります。また、入浴している人だけではなく、脱衣所にいる、次に入浴される利用者の着替えを手伝ったり、入浴が終わった人を席まで送ったりもしなければいけません。
また、そうした時間的なハードさだけでなく、介護自体の大変さもあります。
既に述べたように、入浴介助用のリフトがあるような施設であれば、介護福祉士の体への負担は比較的少なくて済みます。ただ、全ての施設がそうしたリフトを整備しているわけではありません。
当然リフトがなければ、介護福祉士が行う介助量は格段に増えます。
そのため、特に腰痛などの持病を持っている介護福祉士がデイサービスへ転職する際には、こうした設備の有無もしっかり確認しておくことが大切だといえます。
このように、介護福祉士がデイサービスへ転職する際には、入浴介助で苦労する人が少なくないということを知っておいてください。
今回述べたように、利用者が長時間滞在するデイサービスへ介護福祉士が転職する場合には、「残業」「入浴介助」の2つで苦労する人が多くいます。そのため、デイサービスへ転職する際には、こうした事実を理解した上で、しっかり転職先の状況を確認するようにしてください。
そうすることで、転職後のミスマッチを防ぐことができるようになります。
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