介護福祉士の給料・収入を徹底解説:年収アップの具体的な方法

介護福祉士転職年収

介護福祉士の中には、現在の収入(給与・年収)に不満があって転職・離職する人が少なくありません。国家資格である介護福祉士は、介護職者の中では待遇が良いほうではありますが、それでも他の職業と比較すると収入は少ない傾向にあります。
そうした中で、特に男性の介護福祉士で結婚して家庭を持つようになった人は、現在の収入について悩むことになります。そして、中には介護職自体を辞める決断をする人もいます。
ただ、働く業界を変えることは、あなたにとって非常に大きな負担になります。また、違う業界に移ったとしても満足のいく収入を得られるようになるかは確かではありません。
そのため、介護福祉士で収入に不満を持つ人には、介護福祉士を辞めるのではなく、転職してキャリアアップを狙うことをお勧めします。そうすることで、介護職を続けながら年収を上げることが可能になります。
また、介護福祉士を募集している求人の中には、高い給料が提示されている求人も存在します。そうした求人を上手く見つけることで、簡単に収入を上げることができます。
そこで今回は、「介護福祉士が年収・収入アップを図るポイントと方法:介護転職」について解説します。

介護福祉士の給料相場

介護福祉士の中には、今の給料に不満を持っている人が少なくありません。ただ、あなたの感覚で給与を判断してはいけません。
もしかすると、あなたが不満に思っている給与額は、介護福祉士の平均年収を超えているかもしれません。そうした場合、年収アップを狙って転職をしようとしたにも関わらず、逆に収入が下がってしまう可能性があります。
そうしたことを避けるためにも、介護福祉士の給料・年収相場を理解しておくことが大切です。そして現在の収入を平均と比較することで、転職による年収アップを狙えるかの指標にすることができます。
以下に、介護福祉士の給料・給与・年収相場について記します。

平均年収は300万前後

介護福祉士は、ヘルパーなどの他の介護資格所有者と比較すると、資格手当てが付くことが多いです。そのため、介護職者の中では、給与・年収の相場は高い傾向にあります。
ただそうはいっても、平均年収は250~400万円程度であり、他の職種と比較すると決して高いとはいえません。
また、介護福祉士が働く施設の多くは、日曜出勤や夜勤などがあります。そしてこの平均年収は、休日手当てや夜勤手当なども含まれています。そのため、仕事の内容がハードな割りには、決して年収が高いとはいえません。
一方で、デイサービスなどの通所系サービスの職場では、日中の仕事はハードなところがほとんどですが、夜勤などがないため勤務は規則的になります。ただ、休日手当てや夜勤手当が付かないので年収は低い傾向にあります。
このように、介護福祉士の給料は他と比較して決して高いわけではありません。ただ、夜勤や日曜出勤がある施設などでは、手当てによってカバーされるため、通所系サービスの施設などと比較すると高い傾向にあります。
以下に、厚生労働省の統計(平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果)により算出された、職場別による介護福祉士の平均給与額を記します。


  平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均給与額(円/月)
全体 41.9 8.0 297,320
介護老人福祉施設 38.1 8.3 322,040
介護老人保健施設 38.5 8.8 308,220
介護療養型医療施設 43.0 8.9 282,210
訪問介護事業所 47.3 7.8 285,110
通所介護事業所 42.8 7.6 272,330
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) 44.1 7.1 271,050


*ここで示されているのは、介護職員処遇改善加算(1)~(4)の届出をしている事業所を対象に調べられた値です。

年齢別の平均年収

ここで、介護福祉士の年齢別の平均年収目安について記します。


30代 250万円前後
40代 330万円前後
50代 370万円前後

介護福祉士の現状

介護福祉士の年収相場は250~400万円と、決して高いとはいえません。そのため現状として、年収に不満を持って転職する人は少なくありません。
そして介護福祉士は、給与はそこまで高くありませんが、転職先は見つけやすい職種だといえます。
介護福祉士に限らず、介護業界は慢性的な人材不足状態にあります。そのため、多くの職場では介護職員の求人を出しています。特に、介護福祉士という資格を持っていれば、転職先は見つかりやすいといえます。
一般的には、35歳を過ぎると転職は難しくなるといわれています。その一方で介護業界であれば、特に年齢に関係なく、資格さえあれば転職に苦労することはありません。
今後も介護業界の人手不足が解消されることはないため、転職先には困らない職種と考えることができます。
また、介護福祉士として数年間経験を積んだ後には、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」の試験を受ける資格を得ることができます。そしてケアマネジャーは、介護福祉士など介護の現場スタッフと比較すると、待遇面では優遇される傾向にあります。
そのため、介護福祉士の中には、ケアマネジャーの資格取得を目指している人も少なくありません。
このように、介護福祉士の現状は、他の職種と比較しても待遇が優れているわけではありません。しかし、介護福祉士の需要は今後も減ることはなく、転職先に困ることはない職業だといえます。また、ケアマネジャーの取得を目指すことで、年収アップを狙うこともできます。

介護福祉士が狙える年収別の働き方

介護福祉士の中でも、地域や職場、年齢によって年収は大きく異なります。そうした状況を踏まえた上で、介護福祉士として狙う年収別の働き方について考えていきます。

年収400万円

介護福祉士の中で、年収が400万円を超えている人は少ないのが現状です。既に述べたように、介護福祉士は50代であっても年収は300万円後半となっています。
ただ、介護福祉士であっても、400万円であれば十分に狙える年収です。
例えば、大規模の社会福祉法人の主任クラスであれば、年収が400万円を超えている人はたくさんいます。また、個人経営のデイサービスなどであっても、施設長や事務長クラスになれば、年収400万円以上の人は存在します。
また、東京や大阪などの都心部であれば、数は多くありませんが、管理職でなくても年収が400万円を超えている職場があるのも事実です。
このように、年収400万円は、介護福祉士であっても十分に狙える範囲だといえます。

年収500万円

介護福祉士で年収が500万円以上になると、ほとんど現場で働いている人はいません。極稀に主任クラスで年収が500万円を超えている求人もありますが、そうした求人は滅多に見つからないのが現状です。
そして、介護福祉士で年収500万円超えを狙うとなると、大規模の社会福祉法人で施設長や事務長、サービス提供責任者といった立場に就く必要があります。
もちろん、施設長や事務長、サービス提供責任者であっても、年収が500万円に満たない職場はたくさん存在します。ただ、職場によっては、施設長や事務長クラスになると、年収が600万円を超えているところもあるのです。
このように、介護福祉士が年収500万円以上を狙う場合には、大規模の法人で施設長や事務長、サービス提供責任者のポストに就く必要があります。

年収700万円

介護福祉士の中には、「年収700万円以上を狙いたい」と考えている人もいるはずです。
ただ、私の知り合いで年収が700万円を超えている介護福祉士はいませんし、聞いたこともないのが現状です。インターネットの口コミなどを見ると、年収が700万円を超えている人も存在するようですが、実際のところはわかりません。
正直なところ、介護福祉士で年収を700万円を超えるのは非現実的ではないかと考えています。

介護福祉士の給料は今後上がるのか?

介護福祉士の中には、今後の給料動向について気になっている人も多いはずです。介護職員の給料に関しては、「処遇改善加算」などが実施されているため、「今後は給料が上がっていくのでは?」と考えている人も少なくありません。
しかし実際には、介護福祉士の給料は今後も上がっていかないと予測されます。それは、介護報酬の特徴に原因があります。
介護報酬は、国によって報酬価格が決めらる「公定価格」です。そして、どのサービスであっても、サービスを提供できる人数が限られています。つまり、介護報酬に頼っている事業所は売上の上限が決まっているということです。
また、介護報酬はそもそも低く設定されている上に、年々下がっている現状があります。さらに、日本の財政状況を考えると、今後介護報酬が上がっていく可能性は低いです。
こうした状況の中で、介護福祉士に限らず、介護職員の給料が上がっていく可能性はほとんどないといえます。
もちろん、高齢化が進んでいくと介護福祉士の必要性も高まるため需要はあります。ただ、どれだけ需要が高くても、給料は上がらないのが実際のところでしょう。

介護福祉士が年収を上げる具体的な方法

介護福祉士が年収をアップさせる方法はいくつかあります。その中でも、「資格を取得する」「役職に就く」「転職する」といった3つが有効です。
そこで以下に、介護福祉士が年収を上げるポイントについて記します。

資格を取得する

介護福祉士の中には、新たな介護資格を取得することで年収アップを達成した人も存在します。
例えば、ケアマネや社会福祉士は、一般的に介護福祉士よりも高い資格手当が支給される資格です。そのため、こうした新たな介護資格を取得することで、年収を上げることができます。
そこで以下に、厚生労働省が行った「平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果」から、介護福祉士とケアマネ、社会福祉士の給料の比較を記します。


  平均年齢(歳) 勤続年数(年) 平均月収(円)
介護福祉士 41.9 8.0 297,320
ケアマネ 46.1 10.9 334,410
社会福祉士 35.3 7.1 324,300

役職に就く

既に述べたように、介護福祉士として主任や施設管理者などの役職に就くことで、高い年収を得ている人は存在します。基本的に、管理職になると役職手当が支給されるため、その分だけ給料は高くなります。
例えば、個人経営のデイサービスにおける主任であれば、月に1~3万円程度の手当が付きます。また、施設管理者などであれば、5万円以上の役職手当が支給される職場も少なくありません。
このように、介護福祉士が役職に就くことができれば、それだけで年収は上がります。
ただ、管理職として働く場合には、現場で働けなかったり、残業が多くなったりするというデメリットもあります。そのため、管理職となって収入アップを狙う場合には、こうしたデメリットを総合的に考えた上で行動することが大切です。
また、病院などの医療法人では、介護職者が管理職に就くことは難しいのが現状です。

転職する

介護福祉士として転職することで、年収を上げることは可能です。
転職によって年収を上げたいと考えている場合には、キャリアアップしやすい職場の求人情報を見つけることが大切になります。
介護福祉士がキャリアアップによる収入アップを狙いやすい条件には、「管理職者を募集している」ということと、「キャリアアップをしやすい職場である」という2点が挙げられます
また、キャリアアップではなくても、もともと好条件である求人を見つけることでも、収入を上げることは可能です。
 ・管理職者を募集している
介護福祉士の求人の中には、管理職者を募集している求人があります。そうした求人に応募して採用されると、管理職者として働くことができます。
そして、管理職という役職が就けば、当然ながら年収は高くなります。もちろん職場によって手当ての額は異なりますが、基本給に加えて数万円を手当てとしてもらえることがほとんどです。
このように、最初から管理職者を募集している求人に応募することで、収入を上げることができます。
しかし、こうした管理職者を募集している求人は、数が非常に少ないです。また、見つけたとしても「経験年数」や「年齢」などに制限があることが多く、誰でも応募できるというわけではありません。
そのため、介護福祉士の管理職者を募集している求人を見つけるためには、タイミングと運が必要だといえます。
また、運良く管理職者募集の求人を見つけたとしても、採用されない可能性もあります。特に管理職者を募集している場合には、採用側も人選を厳しくしています。そうしたことから、一般職として転職するよりも、不採用通知を受ける可能性が高いといえます。
ただ、それでも管理職者募集の求人へ応募したい場合には、介護職者専門の転職サイトを活用することをお勧めします
転職サイトは、インターネットやハローワークでは公開されていないような「非公開求人」を多く抱えています。そして、転職サイトに登録すると、そうした非公開求人を紹介してもらえるため、管理職者を募集している求人が見つかりやすくなります。
また、アドバイザーが履歴書や面接などに関するアドバイスを行ってくれるため、採用される可能性が高くなります。
以上のような理由から、介護福祉士が管理職者募集の求人を狙う際には、介護職者専門の転職サイトを活用することをお勧めします。
 ・キャリアアップしやすい職場
介護福祉士が働く職場には、キャリアアップしやすい職場とそうでないところがあります。そのため、キャリアアップしたいと考えているのであれば、当然ながらキャリアアップしやすい職場への転職を行うことが大切です。
例えば、介護福祉施設を新しく立ち上げる際の「オープニングスタッフ」を募集している職場は、キャリアアップが狙いやすいといえます。
施設の立ち上げは、非常に労力が必要で大変なものです。そのため、そうした時期に一緒に頑張って施設運営に関わったスタッフは、経営者からの信頼が高くなります。その結果、役職としてのポストに就きやすくなります。
その他にも、介護職者の数が少ないような職場であれば、当然ながら職員が多いところより役職に就く可能性は高くなります。
このように、キャリアアップがしやすい職場へ転職することで、キャリアアップによる年収アップを狙うことができます。
 ・好条件求人
介護福祉士が転職による収入(給与・年収)アップを狙う場合には、管理職者募集の求人を見つけて転職するなど、キャリアアップを図ることが1つの有効な手段になります。
ただ、介護福祉士の中には、「収入は上げたいけど管理職はしたくない」という人も少なくありません。当然、管理職にポストに就くと、行わなければいけない仕事が増えるため、残業などが多くなります。また責任も重くなるため、仕事での精神的なストレスが溜まりやすくなります。
そうした場合には、一般職でも収入(給料、年収)が高い求人を見つけて転職することで、転職によって収入アップを図ることができます。
確かに、介護福祉士のような介護職者は、待遇が良くない求人が多いです。しかし中には、他と比較して明らかに高待遇であるような求人情報もあります。そうした、好条件求人を見つけて転職することで、管理職に就くことなく収入を上げることができます。
例えば、公務員の介護福祉士として働ける公立の病院や施設などに転職することができれば、確実に収入は上がります。他にも、母体が大きな医療法人であれば、比較的給料が高い職場が多いです。
ただ、こうした介護福祉士の好条件求人は簡単に見つかるものではありません。さらに、もし待遇が良い求人情報を見つけても、必ずといっていいほど、何かしらの条件が付いています。
具体的には、「公務員になりたいけど全然求人が見つからない」「給料は高いけど田舎で、市の中心部から車で2時間ほどかかる場所に職場がある」や「残業が多く、給与の中に月20時間分の固定残業休が含まれている」といったような条件が付いている可能性があります。
そのような場合には、介護職者専門の転職サイトを活用することで、そうした環境面や労働環境に問題がない好条件を見つけることができます。
既に述べたように、転職サイトはインターネットやハローワークには公開されていないような「非公開求人」を多く抱えています。その中には、そうした好条件求人があることも少なくないため、転職サイトを活用することで、あなたの希望に合った求人を紹介してもらいやすくなります。
このように介護福祉士は、介護職者専門の転職サイトを利用することで、管理職に就かずに収入アップを図れるような職場への転職を成功させることができます
今回述べたように、介護福祉士が転職によって収入アップを希望する場合には、「キャリアアップを狙う」か「好条件求人を狙う」という2つの方法があります。そしてどちらにしても、そうした求人情報を効率的に見つけるためには、介護職者専門の転職サイトを活用することをお勧めします。
転職サイトへ登録することで、アドバイザーがあなたの希望に合った求人情報を紹介してくれます。転職支援のプロであるアドバイザーを上手く利用することで、より効率的に高収入の求人情報を見つけることができます。
そのため、収入アップの転職を希望する場合には、ぜひ転職サイトを上手く活用して、転職を成功させてください。


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