施設へケアマネが転職する(施設ケアマネ)のメリット・デメリット
ケアマネージャー(ケアマネ:介護支援専門員)の中には、「特別養護老人ホーム」や「介護老人保健施設」「介護療養型医療施設」といった介護保険施設に勤めている人もいます。
こうした人たちは、居宅介護支援事業所のケアマネが「居宅ケアマネ」と呼ばれるのに対して、「施設ケアマネ」といいます。施設ケアマネの職場としては、その他にも「有料老人ホーム」や「フループホーム」などがあります。
ケアマネの中には、「施設ケアマネとして働きたい」という人も多くいます。そうした場合には、施設ケアマネとなるメリットやデメリットを知った上で転職することが大切です。そうすることで、転職後のミスマッチを防ぐことができるようになります。
そこで今回は、「施設へケアマネが転職する(施設ケアマネ)のメリット・デメリット」について解説します。
ケアマネが施設へ転職して得られるメリット
ケアマネージャーが老人ホームなどの施設へ転職すると、居宅ケアマネなどと比較してさまざまな利点があります。そうしたメリットを把握しておくと、施設ケアマネに対する魅力をより感じることができるようになるはずです。
そこで以下に、施設ケアマネとして働くことで得られるメリットについて記します。
休みが安定している
ケアマネが働く職場の中でも、特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった施設では、休みが決まっていることが多いです。具体的には、土日が休みとなっている職場がほとんどです。
施設では、土日祝日などに関係なく入居している人がいます。ただ、そうした人たちの基本的な対応は、介護士や介護福祉士といった介護職者が行います。そのため、土日にケアマネがいなくても施設内で困ることはほとんどありません。
例えば、土日に利用者が「デイサービスを使ってみたい」といっても、緊急で対応しなければいけないケースは滅多にありません。だいたい、翌週の月曜日にケアマネが出勤した日に話をして、デイサービスの利用を検討するようにすれば十分間に合います。
そもそも、他のデイサービスや事業所なども土日休みであるところが多いため、休日にそうした話が進展することは少ないです。
また、休みの日に利用者が急変した場合でも、介護職員や看護師などが対応してくれるため、問題ありません。それに対して居宅ケアマネであれば、休みが決まっていないようなところが多くあります。
さらに、休みの日であっても、利用者が自宅で体調が悪くなった場合には、対応しなければいけないようなことも多々あります。
このように施設ケアマネには、居宅ケアマネと比較すると、「休みが固定している上に急な呼び出しが少ない」というメリットがあります。
ケアマネ同士の連携が取りやすい
ケアマネの仕事は、基本的に担当する利用者と対個人の関係性になります。つまり、「1人の利用者を1人のケアマネが担当する」ということです。ただ、中には長期間の研修や急な休みなどで、他のケアマネに対応を依頼することもあります。
そうした際に、施設ケアマネであれば、同じ施設内の利用者を担当しているため、他のケアマネとも連携が取りやすいです。
例えば、居宅ケアマネであれば、「担当しているケアマネでなければ利用者と顔を合わせたことがない」というのが普通です。そのため、他のケアマネに対応を依頼することは容易なことではありません。
特に、研修などに参加するために長期間の休みを取る際には、「ケアプランの更新」や「モニタリング」などもお願いしなければいけません。こうした仕事は、普段から利用者と接しているケアマネでなければ、難しいことがほとんどです。
その一方で、施設ケアマネであれば、同じ施設内に担当する利用者がいるため、他のケアマネとも顔なじみであることが多くあります。また、カンファレンスなどで担当している利用者の話をする機会がたくさんあるため、「ケアマネ同士でお互いの担当者についてよく知っている」ということも少なくありません。
つまり、施設ケアマネは居宅ケアマネなどと比較すると、「ケアマネ同士の連携が取りやすい」といえます。
また当然ながら、介護士や介護福祉士といった他の職種の人ともコミュニケーションが取りやすい環境にあります。そのため、利用者の普段の様子を把握しやすいです。
このように、ケアマネが施設に勤めることで、ケアマネ同士だけではなく、利用者に関わる多くの職種の人と連携が取りやすいというメリットがあります。
ケアマネが施設へ転職することで起こりえるデメリット
ケアマネが施設ケアマネとして働くと、たくさんのメリットがあります。ただ、施設ケアマネには、施設で勤めるゆえに苦労することもあります。その中でも、「チームをまとめることが難しい」ということは、多くの施設ケアマネが感じることです。
ケアマネは、要介護者の介護サービスに関する舵取り役を行わなければいけません。つまり、利用者に関わるさまざまな職種で作られるチームをまとめなければいけません。
既に述べたように、施設ケアマネが担当する利用者のチームは、同じ施設内で働くスタッフが多い傾向にあります。そしてそのことは、チーム内で連携が取りやすいというメリットといえます。その一方で、そうしたチームをまとめるのに苦労することも多々あります。
特に、施設で働く介護士や介護福祉士など介護職員の中には、経験の浅い若いスタッフがいることもあります。そうしたスタッフの場合、介護保険に関する知識などを指導しながら情報交換を行わなければいけないことが多いです。
また、同じ職場のスタッフでも、「夜勤がある介護士や介護福祉士」と「日勤しかないケアマネ」という違いがあります。このことに不満を感じて、ケアマネに対して良い印象を持っていない人もいます。そうなると、上手く連携が取れずに苦労します。
例えば、チームの舵取りであるケアマネは、状況に応じてケアプランを調整する必要があるため、介護サービス内容を削らなければいけないこともあります。
そして、介護士が関わるサービスなどを少なくした際に、介護士は「夜も関わっている私たちの方が利用者のことをよくわかっているのに、なぜケアマネが勝手にケアプランを変えるんだ」と感じるかも知れません。当然、ケアプランを変更する際には、利用者やチームのメンバーと話をして決定します。
ただ、それでもそうしたことに不平を持つ介護スタッフはいます。その結果、その後から利用者に関する情報をあまり伝えてくれなくなるようなこともあります。
このように施設ケアマネは、利用者のチームメンバーの多くが同じ職場内のスタッフであるからこそ、大変なこともあります。施設へ転職を考えている人は、こうしたことを理解しておくようにしてください。
今回述べたように、ケアマネージャーが施設へ転職すると、「休みが安定している」「スタッフと連携が取りやすい」というメリットがあります。その一方で、チームのメンバーと同じ施設内で仕事をしているからこそ生じる問題もあります。
もしあなたが施設への転職を検討している場合には、こうしたメリットとデメリットの両面を理解した上で、転職先として選択するようにしてください。そうすることで、転職後のミスマッチを防ぐことができるようになります。
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