【2026年版】介護職を辞めたい人へ|辞め時の目安・引き止めへの対応・好条件求人の見つけ方

「介護職を辞めたい」と感じたときは、すぐに退職を決める前に、辞めたい理由を整理し、同じ介護業界で条件のよい職場を探す方法も選択肢に入れてみてください。今の悩みが人間関係や人手不足、給料、体調のどれにあたるのかによって、辞め時も次の選び方も変わります。

介護福祉士や介護士、ケアマネジャー(介護支援専門員)、社会福祉士として働く人の中にも、同じ悩みを抱えている方は少なくありません。この記事では、公的な調査の数字をもとに、介護職を辞めたいと思う主な理由、辞め時の考え方、引き止めへの対応、好条件の求人を見つけるポイントをまとめました。

目次

この記事の要点

  • まずは辞めたい理由を書き出して整理し、本当に辞めるべきかを一度考え直してみましょう
  • 辞めたい理由は、「精神的なストレス」「給料」「理想とのギャップ」「体調不良」の4つに分けて考えると整理しやすくなります
  • 辞めるタイミングは、生活状況と体調によって人それぞれです
  • 心身に大きな負担がかかっている場合や、法令に反する働き方を求められる場合は、早めに離れることを考えてください
  • 退職を伝えると引き止めにあう場合があります。感謝を伝えたうえで、意思を落ち着いて伝えましょう
  • 他業界への転職は、一から学び直す負担が大きくなる場合があります。まずは同じ介護業界で別の職場を探す方法も検討してみてください
  • 介護職専門の転職サービスを使うと、条件の合う求人を探しやすくなる場合があります

介護職を辞めたい理由は何が多い?

介護職を辞めたいと考えるきっかけは人によって異なります。ただ、よく挙がる理由は、「精神的なストレス」「給料」「理想とのギャップ」「体調不良」の4つに分けて考えると整理しやすくなります。他の人が辞めた理由を知っておくと、辞める決意を固めるときにも、辞めずに済む方法を探すときにも役に立ちます。

精神的なストレス(人間関係・人手不足)

公益財団法人介護労働安定センターの「令和7年度 介護労働実態調査」では、直前の仕事が介護関係だった人が辞めた理由として、最も多かったのは「職場の人間関係に問題があったため」(27.3%)でした。さらに、その具体的な内容で最も多かったのは「上司や先輩からの指導や言動がきつかったり、パワーハラスメントがあった」で、人間関係を理由に挙げた人のうち45.8%でした。

同じ調査では、働く中での悩み・不安・不満として「人手が足りない」(52.3%)が最も多く挙がっています。人手不足によって夜勤や残業が増えたり、本来の担当以外の業務が増えたりして、ストレスにつながる場合があります。

そのほかにも、次のようなことがストレスになることがあります。

  • 利用者さんやそのご家族からの言動で心身が疲れてしまう
  • 経営者や管理者と考え方が合わない
  • 給料や将来への不安が大きい

給料に不満がある

同じ介護労働実態調査では、「仕事内容のわりに賃金が低い」を悩み・不安・不満として挙げた人が38.1%いました。仕事の満足度を指数(D.I.)で見ても、「職場の人間関係」(プラス38.2ポイント)や「仕事の内容」(プラス34.2ポイント)はプラスである一方、「賃金水準」はマイナス12.3ポイント、「人員配置体制」はマイナス18.5ポイントでした。

一方で、処遇は少しずつ改善しています。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員等処遇改善加算を取得している施設・事業所で働く介護職員(月給・常勤)の平均給与額は、令和6年9月時点で338,200円で、前年の324,240円から13,960円(4.3%)増えました。基本給等は253,810円です。最新の数字は厚生労働省の公表資料で確認してください。平均給与額には、4月から9月に支払われた賞与などの一時金の6分の1が含まれています。

なお、同じ介護労働実態調査では、月給の人の通常月の平均月収は254,951円で、前年度より2.4%増えています。また、参考として、国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円、正社員(正職員)は559万円でした。ただし、調査の対象や算出方法が異なるため、介護職員の月額と単純に比べることはできません。数字はあくまで目安として、今の職場の条件と見比べてみてください。給料は職種や資格、施設の種類、地域、加算の取得状況によって変わります。

理想と現実のギャップ

「困っている人の力になりたい」「利用者さんとお話ししながら働きたい」という思いで介護職に就く方は多く、その思いはやりがいにつながります。一方で、現場には思い描いていた仕事との違いがあります。

たとえば、介護職は医療職ではないため、行える医療的な対応には決まりがあります。利用者さんから体の痛みや眠れないといった相談を受けても、できることが限られ、もどかしさを感じる方もいます。また、利用者さんやご家族との関係で悩み、理想との差に落胆してしまうこともあります。

つらい言動やハラスメントを受けた場合は、一人で抱え込まず、職場の相談窓口や上司、外部の相談機関に相談してください。

体調不良で働き続けるのが難しい

介護の仕事は、精神面だけでなく身体面の負担もあります。同じ調査で「身体的負担が大きい」を悩みとして挙げた人は23.9%でした。入浴介助や移乗などの身体介護が続くと、腰やひざなどに痛みが出る場合があります。夜勤や残業が重なって疲れがたまることもあります。

心や体の不調が続くときは、仕事を続けるかどうかの前に、まず医療機関に相談することが大切です。体調を崩した状態で無理を続けると、回復にも次の仕事探しにも時間がかかってしまいます。

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介護職を辞めるタイミングの考え方

辞め時は、置かれている状況によって異なります。早く離れたほうがよい人もいれば、準備を整えてから動いたほうがよい人もいます。あなた自身を守るためにも、「生活」と「体調」の2つの面から考えてみてください。

生活状況と体調に合わせて決める

ご家族の生活を支えている方や、貯金に余裕がない方は、転職先が決まってから退職するほうが安心です。転職活動が思ったより長引く場合もあるためです。賞与を受け取ってから辞める、ある程度の生活費をためてから辞めるなど、時期を選ぶことで経済的な不安を減らせます。

一方で、すでに心身の不調が出ている場合は、収入のことが気になっても、健康を優先して早めに休む・辞めることを考えてください。体調を大きく崩すと、長く働けなくなり、結果として生活にも影響が出るおそれがあります。

状況おすすめの動き方の目安
家計を支えていて、貯金に余裕がない在職中に転職活動を進め、内定後に退職する
体調に不安はないが、条件に不満があるまず相談や異動の可能性を確認し、並行して求人も見てみる
心身の不調が続いている医療機関に相談し、休職や早期の退職も含めて検討する
法令に反する働き方を求められているできるだけ早く、外部の相談窓口にも相談したうえで離れることを考える

表の動き方はあくまで目安です。ご自身の状況に合わせて判断してください。

早めに離れることを考えたい職場の特徴

介護施設の中には、早めに離れることを考えたほうがよい職場もあります。たとえば、研修を修了していない職員に医療行為を求める職場です。痰の吸引や経管栄養といった行為は、所定の研修を修了し、決められた体制のもとで行うことが前提とされています。研修を受けていない職員が行うと、利用者さんにとって危険であるだけでなく、あなた自身が責任を問われる可能性もあります。

そのほかにも、次のような特徴が当たり前になっている職場は、早めに離れることを考えてください。

  • 勤務時間外(夜間や休日)に頻繁に連絡が来たり、出勤を頼まれたりする
  • サービス残業が当たり前になっている
  • パワハラ、セクハラ、暴力が当たり前になっている

人間関係に悩みがまったくない職場は少ないため、多少の行き違いは受け流すことも大切です。ただ、上のような特徴がある場合は、我慢を続ける必要はありません。

辞めるときに起こりやすい「引き止め」への対応

退職を伝えたときによくある場面の一つが「引き止め」です。人手不足の現場では、1人抜けるだけで業務が回らなくなるため、引き止められることがあります。

引き止めには、次のようなパターンがあります。

  • 「待遇を見直すから考え直してほしい」「正社員にするから続けてほしい」と条件を示される
  • 「あと数か月で資格が取れるので、それまで続けては」と別の方向性を示される
  • 「ここで頑張れないなら、他でも通用しない」と言われる

条件の見直しを約束されても、実際に変わるかどうかは職場によって異なります。辞めると決めたなら、約束の内容を書面で確認するなど慎重に判断してください。批判的な言葉をかけられても、あなたの価値が決まるわけではありません。

伝えるときは、これまでの感謝を述べたうえで、退職の意思を落ち着いて示すと、話がこじれにくくなります。期間の定めのない雇用では、一般に民法で、退職の申し出から2週間で契約を終了できると定められています。ただし、就業規則に「1か月前まで」などの決まりがある職場も多く、引き継ぎも必要です。円満に辞めるためにも、できるだけ早めに、直属の上司に相談してください。

辞めたいと思ったときに取れる3つの行動

辞めたいと思ったときの行動は、主に「考え直す」「介護職を辞める」「別の介護施設へ転職する」の3つです。

1. まずは考え直す

転職には負担がかかります。転職先を探すだけでなく、今の仕事を続けながら求人探し、履歴書の作成、面接、引き継ぎまで進めなければならないためです。転職先で同じ悩みが起きないとは限りませんし、別の悩みが出てくることもあります。

そこで、まずは「何がいちばんつらいのか」を書き出してみてください。人間関係なら部署の異動や相談で変わる場合があります。給料なら、資格取得や処遇改善加算の状況で変わる可能性もあります。それでも解決しない場合に、次の行動へ進むとよいでしょう。

2. 介護職を辞めて他の業界へ移る

考え直したうえで「やはり介護の仕事から離れたい」と決めた場合は、他業界への転職も一つの選択です。あなたが納得して出した結論であれば、尊重されるべきです。

ただし、他業界では仕事の内容も評価の仕組みも変わるため、一から学び直す必要が出る場合があります。給与の決まり方(歩合制など)も業界によって異なるため、応募前に、仕事内容・給与の仕組み・働き方を求人票で十分に確認してください。

3. 別の介護施設へ転職する

今の職場に不満があるだけで、介護の仕事そのものは続けたい場合は、別の介護施設へ転職する方法があります。経験や資格を活かせるため、他業界へ移るより負担を抑えやすいのが特徴です。もちろん、同じ介護業界でも、転職後に新しい業務を覚える必要があり、悩みが生じる可能性はあります。

介護施設の労働環境は、施設によって大きく異なります。給与水準、年間休日、残業の多さ、有給休暇の取りやすさ、人員配置、夜勤の回数は、事業所ごとに違います。同じ悩みを繰り返さないために、求人票と見学で次の点を確認しましょう。

  • 給与の内訳(基本給、各種手当、賞与、処遇改善に関する手当)
  • 年間休日と有給休暇の取得状況
  • 夜勤の回数と、夜勤時の人員体制
  • 残業の実態と、サービス残業の有無
  • 職員の定着状況、人間関係の雰囲気(見学や面接で確認)

好条件の求人を探すなら、介護職専門の転職サービスも活用を

条件のよい求人を一人で探すのは大変です。そこで選択肢になるのが、介護職専門の転職サービスです。多くは無料で利用でき、登録するとアドバイザーが転職活動を支えてくれます。サービスによって異なりますが、求人の紹介、履歴書の書き方や面接の準備、退職の進め方についての相談などを受けられる場合があります。働きながらの転職活動でも、負担を減らしやすくなります。

また、転職サービスによっては、ハローワークや一般の求人サイトには載っていない求人を扱っている場合があります。取り扱う求人はサービスごとに異なるため、複数のサービスを比べ、アドバイザーに自分の希望(給与、休日、夜勤の有無、通勤時間など)を具体的に伝えると、希望に合う求人に出会いやすくなります。最新の情報や登録の条件は、各サービスの公式サイトで確認してください。

よくある質問

Q. 介護職を辞めたい理由で、いちばん多いのは何ですか?

介護労働安定センターの令和7年度調査では、直前の仕事が介護関係だった人が辞めた理由として、「職場の人間関係に問題があったため」が27.3%で最も多くなっています。ただ、理由は人によって異なります。ご自身の状況を整理して判断してください。

Q. 辞めたい気持ちがあっても、すぐに退職しないほうがいいですか?

家計への影響が大きい場合は、転職先が決まってから退職するほうが安心です。一方で、心身の不調が続いている場合は、健康を優先してください。医療機関や職場の相談窓口にも相談しながら判断しましょう。

Q. 介護職の離職率はどのくらいですか?

介護労働安定センターの令和7年度調査では、訪問介護員と介護職員を合わせた2職種の離職率は12.4%で、前年度と同じ水準(横ばい)でした。ただし、事業所によって差があります。なお、29歳以下の離職率は17.3%と、他の年齢層より高くなっています。

Q. 引き止められて断りにくいときはどうすればよいですか?

これまでの感謝を伝えたうえで、退職の意思を繰り返し落ち着いて伝えてください。引き継ぎのスケジュールを具体的に示すと、話が進みやすくなります。話し合いが難しい場合は、労働局の総合労働相談コーナーなど、外部の相談窓口も活用できます。

まとめ

介護職を辞めたいと思ったときは、まず「何がつらいのか」を整理し、考え直す時間を持つことが大切です。そのうえで、体調や生活状況を踏まえて辞め時を決めてください。介護の仕事を続けたい場合は、別の施設へ転職して条件を見直す方法があります。転職サービスなども活用しながら、あなたに合う職場を探してみてください。

出典:公益財団法人介護労働安定センター「令和7年度 介護労働実態調査」結果の概要(2026年7月公表)、厚生労働省「令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント」(令和6年9月時点の数字)、国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査結果について」(2026年9月公表)。民法第627条の記述は一般的な内容です。詳しくは労働局などの相談窓口でも確認できます。

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