無資格の介護職者ができること・できないことを徹底解説

介護職無資格

介護業界で働く人の中には、介護に関連する資格を持っていない人が多く存在します。また、無資格の状態で介護職として就職・転職する人も少なくありません。

そうした中で、「無資格の人が介護現場でできること」を理解しておくことは大切です。介護の仕事には、無資格でもできることと、資格を持っていないとできないことがあります。介護職として働く上で、これらの違いを理解しておくことは必須です。

そこで今回は、「介護現場で無資格の人ができること・できないこと」について解説します。

無資格だとできないこと

介護現場における「無資格でもできること」と「資格を持っていないとできないこと」を理解するためには、まずは「無資格だとできないこと」を把握することが大切です。介護の仕事で、無資格者に禁止されている行為は決まっているため、まずはそれらを知っておく必要があります。

介護職者がそもそもできないこと

介護資格の有無にかかわらず、介護現場で働く人が行ってはいけないことに「医療行為」が挙げられます。

基本的に、医療行為は医師でないと行ってはいけません。医療行為とは、「人の傷病に対する治療や診断、予防のために、医学的知識に基づいて行われる行為」のことをいいます。

医師法では「医師の医学的及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為」とされています。

例えば、体にメスを入れたり、レントゲンを撮影したりするのは医療行為です。その他にも、摘便やレーザー脱毛、ピアスなどは医療行為に当たります。また、褥創の処置(消毒、薬塗り)やインスリン注射、血糖測定なども医療行為となります。

原則として、こうした医療行為は、資格の有無に関わらず介護職者は行ってはいけません。

介護資格がないと行えないこと

医療行為は、介護資格の有無に関係なく、介護職者が行うことは禁止されています。介護職として働く場合には、まずはこのことを理解しておくことが大切です。そしてその上で、無資格で介護職として働く場合には「介護資格がなければ行えないこと」について把握しておく必要があります。

介護資格を持っていなければできないこととしては、主に「訪問介護」と「介護福祉士を名乗ること」の2つがあります。

・訪問介護

基本的に、デイサービスやデイケア、特別養護老人ホーム(特養)で働くためには、特別な資格は必要ありません。ただ、「訪問介護員」として働くためには資格が必要です。

具体的には、訪問介護を行う訪問介護員は、介護保険法によって「介護福祉士」もしくは「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」の資格を有している者と定められています。

さらに、サービス提供責任者になれるのは、介護福祉士もしくは「実務者研修(旧ホームヘルパー1級)」の資格をもっている人のみです。

ただ、実務経験が3年以上という条件付で、介護職員初任者研修の資格者でもサービス提供責任者になることができます。そうはいっても、この場合には介護報酬が減酸されるため、サービス提供責任者は実務者研修以上の資格を有している人であることが好ましいです。

こうしたことから、無資格である場合には、訪問介護の仕事はできないのです。

・介護福祉士と名乗ること

介護現場では、介護職員に対して「介護士」や「看護助手」など、さまざまな呼称があります。基本的に、介護士や介護職員、看護助手などと名乗るためには資格が必要ありません。

その一方で「介護福祉士」は、介護福祉士の国家資格を所有している人しか名乗ってはいけません。これは、「社会福祉士及び介護福祉士法」の第四十八条にある「名称の使用制限」に反することになるためです。

具体的に介護福祉士法には「介護福祉士でない者は、介護福祉士という名称を使用してはならない」と明記されています。

つまり、介護福祉士は名称独占資格であると定められているのです。

こうしたことから、介護福祉士の資格を持っていない人は、介護福祉士と名乗ってはいけないのです。

最後に、資格の有無によってできることと、できないことをまとめます。

介護資格の有無に関わらず介護職者ができないこと 特定の介護資格があればできること
(無資格の介護職者にはできないこと)
医療行為 訪問介護員
介護福祉士と名乗ること
生活相談員(都道府県によって条件が違う)

ただ、生活相談員として働くための条件は、都道府県によって異なります。

例えば、社会福祉士や精神保健福祉士、介護支援専門員(ケアマネージャー)、介護福祉士などの資格を有していることが生活相談員として勤める条件である県もあれば、資格がなくても介護職として経験が長ければ生活相談員として認められるところもあります。

また、無資格の介護職には一人で屋外への散歩の付き添いができなかったり、研修期間を長めにとったりしているような職場も存在します。

このように資格なしの介護職は、できないことがあるだけでなく、信頼という面でも有資格者と比較すると少しハンデがあるのが現状です。

無資格でできる介護の仕事

基本的には、「医療行為」や「訪問介護」「介護福祉士を名乗る」ということ以外であれば、無資格者でも介護の仕事はできます。ただ、無資格の介護職者が行っても良いとされていることには、非常にわかりにくいグレーゾーンが多く存在するのです。

特に、以前は医療行為と考えられていたけれども、現在は医療行為ではないと判断されていることも多くあります。

無資格の介護職者でもできる仕事内容

そこで以下に、無資格でも行える介護の業務についてまとめます。

介護職者にできないこと(医療行為) 介護職者でもできること(医療行為ではない)
・褥創部のカーゼ交換
・血圧測定による判断(投薬の要否などを判断する)
・水銀での血圧測定
・摘便
・酸素吸入の準備、管理
・点滴の抜針
・インスリン注射
・膀胱洗浄
・採尿
・採血、注射
・胃チューブ交換
・口に直接薬を入れる
・検温
・自動血圧測定器による血圧測定
・軽微な切り傷、擦り傷、やけど等で専門的な判断や技術を必要としない処置
・軟膏を塗る(褥創の処置を除く)、湿布を貼る(*)
・点眼薬の点眼(*)
・一包化された内用薬の内服(*)
・座薬挿入(*)
・鼻粘膜への薬剤噴霧の介助(*)
・爪きり、爪やすりによるやすりがけ(爪と周囲に以上がなく、糖尿病等の疾患で専門的な処置が必要でない場合)
・パルスオキシメーターの装着
・耳垢の除去
・口腔内の清潔
・ストマ装着のパウチにたまった排泄物の廃棄(人工肛門の管理、導尿)
・カテーテルの準備、体位の保持(導尿)
・ディスポーザブルグリセリン浣腸器を用いた浣腸(浣腸)
痰の吸引(口腔内と鼻腔内・気管カニューレ内まで、咽頭内は禁止)
経管栄養(胃瘻・腸瘻・経鼻経管栄養からの注入)

赤字で記した「痰の吸引」「経管栄養」2つに関しては、技術講習を受けなければ実施できません。

また、表中の(*)については「事前に本人又は家族からの具体的な依頼に基づき、医師の処方・薬剤師の指導を受け、看護師の指導を遵守した医薬品を使用し介助する」ということが定められています。

ちなみに、人工肛門の管理や導尿、浣腸などについては、以前は「医療行為に当たる」と報告されていましたが、2005年の通知で「医療行為ではない」と判断されています。

この表を見てもわかるように、無資格の介護職員が行っても良い行為は非常に曖昧です。そのため、判断に迷うような場合には、担当の医師や看護師に確認することが重要になります。

身体介護と生活援助

一言で介護といっても、介護は大きく「身体介護」と「生活援助」の2つに分けられます。身体介護とは、利用者さんの体に直接触れて行う行為をいいます。例えば、起き上がり動作の介助や移乗介助などです。

その一方で生活援助とは、利用者さんの生活を手伝うサービスをいいます。具体的には、掃除や洗濯、食事の準備などです。

このように、介護職者が行う業務は、主に身体介護と生活援助になります。そして、身体介護でも生活援助でも実施するのに資格は必要ありません。つまり、「資格の有無によって身体介護と生活援助のどちらかができない」ということはないのです。

無資格でも働ける介護施設

既に述べたように、無資格であっても訪問介護事業所以外であれば、ほとんどの介護施設で介護職として働くことはできます。そこで、無資格の介護士が勤めることができる職場の例を記します。

無資格で働くことができる 無資格だと働けない
・病院、クリニック
・デイサービス、デイケア
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム
・小規模多機能型施設
・ショートステイ
・訪問介護事業所

このように、基本的に「無資格だから働けない」という職場は、訪問介護事業所以外はないのが現状です。

無資格者に関係する法律

ここまで述べたように、無資格であっても介護職として多くの仕事に携わることができます。ただ、そうした中でも、特に「医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等」「介護保険法」「社会福祉士及び介護福祉士法」の3つには注意しなければいけません。

それぞれで、定められている無資格者に関係する内容についてまとめます。

医師法、歯科医師法、保健師助産師看護師法等 医療行為等について
介護保険法 訪問介護員の条件について
社会福祉士及び介護福祉士法 介護福祉士の名称について(名称独占)

無資格で介護職として働く場合には、これらの法律について理解しておくことが大切です。

今回述べたように、無資格であっても介護職としてできることはたくさんあります。ただ、そうした中でも、法律によって禁止されている行為も存在します。そのため、介護職として勤める際には、こうした法律について学ぶことも必要不可欠になるのです。

特に、「資格の有無に関わらず介護職者が行ってはいけないこと」と「介護資格を持っていればできること」について分けて理解しておくようにしましょう。


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