ケアマネが給料・収入アップを狙うポイントと具体的な方法

ケアマネ転職年収アップ

ケアマネージャー(ケアマネ:介護支援専門員)は、介護職の中では収入が高い職種だといえます。
ただそうはいっても、ケアマネ一人の稼ぎで家族を養えるだけの十分な収入を貰えている人は少ないです。しかし、ケアマネの多くは「どこの職場に転職しても、給料に大きな差はない」と考えて、転職によるキャリアアップを諦めています。
確かに、ケアマネが担当することができる利用者の数は決まっているため、組織に貢献できる額も限界があります。その結果、当然ながら給料も上限があります。
ただ、ケアマネの転職先の中には、高給をもらえるような職場もあります。そうした職場の特徴や転職方法を知っておくことで、転職によるキャリアアップを実現させることができるようになります。
そこで今回は、「高給与・高年収・高時給のケアマネ求人の探し方」について解説します。

ケアマネの現状

ケアマネージャーは、介護職の中では上位資格として知られています。介護助手や介護士、介護福祉士などの介護職者と比較すると資格手当てが高いため、必然的に収入は高くなります。
ただ、具体的に「ケアマネの平均年収がどのくらいであり、どのような現状にあるのか?」ということを理解している人は少ないです。
こうしたケアマネの平均年収や現状を知ることで、現在の給料の妥当性を検討したりケアマネの資格を取得するモチベーションとなったりするはずです。
以下に、ケアマネの給料や年収、収入に関する相場について記します。

ケアマネの平均年収は370万円前後

ケアマネージャーの平均年収は、平成27年の時点で369万円となっています。概要としては、平均年齢が47歳であり、女性の平均が361万円、男性の平均が394万円となっています。
同じ介護職者の中でも、国家資格である介護福祉士の平均年収が300万円前後であるのに比べると、ケアマネの年収はかなり高いといえます。実際に、介護職者の中では、ケアマネの平均収入が最も良いといえます。
ただ、以前と比較するとケアマネの待遇は少しずつですが下がってきています。
具体的には、平成20年の時点ではケアマネの平均年収は380万円を超えていました。平成27年の平均年収と比較すると、10万円程度しか変わりませんが、約7年間で平均年収が10万円下がるということは、とても大きな変化だといえます。
このことには、ケアマネという資格取得者の数増加による付加価値の低下と、介護保険制度の問題が関係しています。
ケアマネの資格試験は、平成10年から始まりました。また、ケアマネの制度が導入されたのは平成12年(2000年)の4月であるため、まだまだ歴史が浅い資格だといえます。そして、当然ながら最初の方はケアマネの資格を持っている人が少なかったです。
そのため、ケアマネの資格を持っているだけで付加価値があり、会社も高い給料を支払う傾向にありました。ただ、ケアマネの資格取得者の数が増えるにつれて、資格の価値がどんどん下がってしまい、それに伴ってケアマネの給料も安くなっていっています。
また、年々介護保険費は削減されているため、当然ながらケアマネの収入も少なくなっています。中には、年収が300万円を下回るような事業所もあります。
ただ、介護職者の中では給料が高い方であることには変わりはありません。そのため、介護福祉士や介護士といった介護職者で年収アップを狙いたい場合には、ケアマネの資格を取得することも1つの手段だといえます。
このように、ケアマネの平均年収は約370万円だということを知っておいてください。
以下は、厚生労働省の統計(平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果)により算出された、職場別によるケママネにおける平均給与額です。


  平均年齢(歳) 平均勤続年数(年) 平均給与額(円/月)
全体 46.1 10.9 334,410
介護老人福祉施設 43.1 12.2 368,150
介護老人保健施設 42.7 12.7 340,710
介護療養型医療施設 50.5 10.1 282,880
訪問介護事業所 49.9 10.1 313,900
通所介護事業所 44.6 10.0 313,770
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) 48.2 8.4 315,690


*ここで示されているのは、介護職員処遇改善加算(1)~(4)の届出をしている事業所を対象に調べられた値です。

ケアマネの給料は上がるのか?

ケアマネージャーの平均年収は370万円前後になります。ただ、職場によっては年収が300万円を切るところもあるのが現状です。
年々平均給料が下がってきているケアマネですが、将来的に収入は上がっていくのでしょうか?
現状として、ケアマネが組織の利益として直接的に貢献できるものは、基本的には「ケアプラン作成報酬」になります。その他にも、「ケアマネジメント利用時の初回加算」や「退院、退所時の病院等の連携加算」など、さまざまな加算はあります。以下に、加算が適応される例について記します。
・初回加算
・認知症加算
・医療連携加算
・退院、退所加算
・独居高齢者加算
このように、ケアマネジメントを行っていく上では、さまざまな加算を取ることができます。ただ、ケアマネの売上のベースとなるのは「ケアプラン作成報酬」です。
こうした加算は、定期的に算定できるものでもなく、点数も限られています。例えば、ケアプラン作成報酬が1人の利用者辺り1000~1500点(10,000~15,000円)/月として報酬が発生するのに対して、それぞれの加算は「初回のみ」や「連携時のみ」といったような回数が限定されている上に、点数も数100単位(数1,000円)となっています。
当然ながら、介護保険制度の改正によって、加算できる点数や条件は変化します。それでも、ケアプラン作成報酬以上に大きく利益に反映するようなものが作られる可能性は低いといえます。
そのため、基本的にはケアマネの収入は、ケアプラン作成報酬によって左右されます。
ただ、ケアマネが担当できる利用者の数は限度が決まっています。具体的には、平成18年の介護報酬によって居宅介護支援事業所に勤めるケアマネは、40人以上の利用者を担当すると、ケアプラン作成報酬額が大きく下げられることになります。
具体的には、平成18年度の改定では、以下の減算が行われています。


担当者数

要介護1,2

要介護3以上

40件未満

1,000単位/月

1,300単位/月

40件以上60件未満

600単位/月

780単位/月

60件以上

400単位/月

520単位/月


このように、ケアマネが担当する利用者の数は40件が限度です。それ以上になると、ケアプラン作成報酬が大きく下がるため、仕事量と報酬量が見合わなくなってしまいます。
つまり、ケアマネとしての売上には限度があるといえます。
確かに、高齢者の数は増えており、要介護者に対するケアマネの需要も高くなっています。しかし、それに伴ってケアマネの資格取得者も多くなっている上に、介護報酬自体は低下してきているという現状があります。
そのため、今後にケアマネの平均年収が上がっていくことは期待できないと考えられます。
ただケアマネに限らず、医療・介護業界は質が高いサービスを提供することに対しては、高い報酬を支払うような傾向になっています。こうしたことから、自己研鑽を続け、自分の知識や技術を高める努力をしていれば、年収アップを狙うことも可能だといえます。
ケアマネになろうと考えている人や、ケアマネとして働いている人は、こうした現状や将来性を理解しておく必要があります。

ケアマネで高収入を得られる職場とは

ケアマネージャー(ケアマネ)が働いて算定できる報酬には上限があります。そのため、居宅介護支援事業所でも、施設であっても、ケアマネの給料に大きな違いはありません。
ただ、そうした中でも高い収入を得られる職場はあります。まずは、そのような選択肢を知っておくことが、高収入を手に入れるための第一歩になります。そこで以下に、ケアマネで高収入を得やすい転職先について記します。

管理職、主任ケアマネを募集している職場

当然ながら、管理職者のケアマネとして転職することができれば、役職手当が付くため、その分だけ給料は高くなります。
例えば、事業所によって役職手当の額は異なりますが、主任であれば2~3万円程度の手当が付きます。ただ、管理職者として働くということは、その分だけ事務作業などの雑務が増えることになるため、必然的に残業が増えて労働時間は長くなります。
また、管理職者手当には残業代が含まれていることが多いため、いくら長時間残業をしても収入は増えません。そのため、「管理業務が好き」もしくは、「少しでも給料が高くなるのであれば長く働いてもいい」と考える人は、管理職者募集の求人を探すことは、高収入の職場へ転職する一つの手段だといえます。
さらに、ケアマネージャーの中には、「主任介護支援専門員(主任ケアマネ)」という資格があります。
主任ケアマネになると、通常のケアマネの仕事に加えて、他のケアマネに対する教育指導を行うことができるようになります。例えば、新人ケアマネに対して教育をしたり、ケアマネがケアプランを作成する際の相談にのったりします。
そして、主任ケアマネは「主任介護支援専門員研修」を受講しなければいけません。ただ、主任介護支援専門員研修を受けるためには、以下の条件を満たしている必要があります。
・専任の介護支援専門員として働いた期間が、通算して5年(60か月) 以上であること
・「ケアマネジメントリーダー活動等支援事業の実施及び推進について」に基づいたケアマネジメントリーダー養成研修を修了した人で、かつ専任の介護支援専門員として働いた期間が通算して3年 (36か月) 以上であること
・日本ケアマネジメント学会が認定する認定ケアマネジャーで、専任の介護支援専門員として働いた期間が3年 (36か月) 以上であること
・「介護保険法施行規則第140条の52第2号のハ」に規定する主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている人
こうした主任ケアマネを持っている人が居宅介護支援事業所に配置されており、その他に定められる条件を満たしていれば「特定事業所加算」を算定することができます。つまり、主任ケアマネの資格を所有した人がいれば、事業所の収益が増えることにつながります。
このような理由から、主任マネを募集している求人は、一般のケアマネ求人よりも高給である傾向にあります。

経営自体が安定している職場

ケアマネージャーが働く職場の中には、当然ながら経営が安定しているところと、そうでないところがあります。
例えば、母体が大きな病院であるような事業所は、経営が安定している傾向にあります。それに対して、個人が経営している介護支援事業所単独のような職場は、常に自転車操業を行っているところであることも少なくありません。
そして、当たり前ですが経営が安定している職場の方が、ケアマネの給料も高い傾向にあります。既に述べたように、ケアマネとして直接組織の利益に貢献できる額は限られていますが、こうした母体が大きな職場には、他よりも明らかに給料が高いところもあります。
そうした職場を見つけて転職することで、安定しており、なおかつ高収入が得られる職場で働くことができるようになります。

副業が許可されている職場

ケアマネージャーには、介護福祉士や看護師、社会福祉士などとダブルライセンスを持っている人がほとんどです。そこで、それらの資格を生かして副業を行うことで収入を上げることもできます。
例えば、「平日はケアマネとして勤め、休みの日にパートの看護師として働く」という方法もできます。その他にも、看護師としての知識を生かして、インターネットサイトのライターなどの副業を行うこともできます。
ただ当然ながら、副業が許可されているような職場でなければ、こうした働き方はできません。
このように、副業が許されている職場へ転職して、特技を生かした副業を行うことで、高収入を得ることができるようになります。

ケアマネが高収入の職場へ転職する方法

ケアマネージャー(ケアマネ)が高収入を得るためには、「管理職、主任ケアマネとして転職する」「母体が大きく給料が高い職場へ転職する」「副業が許されている職場へ転職して副業で稼ぐ」という方法があります。
ただ、このような好条件の職場は、たまたま知り合いから紹介してもらうことができるか、求人を探すタイミングが良くなければ見つかりません。特に、管理職募集の求人や経営が安定しており給料が高い求人と出会うためには強い運が必要です。
また、副業が許可されているかどうかを転職前に確認することは、「転職後に副業をする気がある」ということを示すことになります。そのため、もし副業を許していないような職場であれば、そうした質問をしたことによって、不採用となってしまう可能性があります。
こうしたことから、ケアマネが高収入の職場へ転職したいと考えた場合には、ケアマネ専門の転職サイトを活用することをお勧めします。
転職サイトに登録すると、担当のアドバイザーが付いて、あなたの希望に合った求人を紹介してくれます。そして転職サイトは、求人サイトやハローワークなどには掲載されていないような好条件の「非公開求人」を多く抱えているため、高収入である求人を教えてもらえる可能性が高いです。
さらに、副業に関しても、アドバイザーを活用することで、あなたの転職活動に影響することなく情報を得ることができます。
このように、高給料もしくは高収入を得ることができる転職先を見つけには、転職サイトを利用することをお勧めします。転職サイトを上手く活用することで、効率的に高収入の転職先を紹介してもらい、転職することができるようになります。
今回述べたように、ケアマネが転職する職場の大半は、給料に大きな差はありません。ただ、その中でも高収入を得られる職場もあります。
そうした好条件の転職先を見つけるためには、ケアマネ専門の転職サイトを活用することをお勧めします。転職サイトを利用することで、効率的にあなたの希望に合った転職先を紹介してもらうことができます。
ぜひ転職サイトを上手く活用して、高収入が得られる転職先への転職を成功させてください。


介護転職で失敗しないために必要な理想の求人・転職先の探し方とは!


介護関連職者が転職を行うときは、転職をサポートしてくれる転職サイトを有効に活用することであなたに適した求人と出会うことができるようになります。

自分ひとりで求人の探索を行っても、数ある求人情報から自分に合った求人を見つけることは難しいです。また、どれだけ頑張っても2~3社へのアプローチが限界です。さらに、給料面や休日などの労働条件を交渉することは現実的ではありません。

転職サイトに登録して専門のコンサルタントに依頼すれば、100社ほどの求人からあなたに最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設、企業との条件交渉まで全て行ってくれます。

ただ、当然ながら転職サイトによって対応やサービス内容は異なります。例えば、電話だけの面接で済ませる会社があれば、必ず直接会って面接するところもあります。また、地方の求人に強い会社があれば、都心部の求人を多く抱えている会社もあります。

転職サイトを活用する際には、こうしたそれぞれの転職サイトの特徴を理解しておくことが大切です。以下のページで介護職者におススメの転職サイトにおける特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを学んだ上で利用することで、転職での失敗を防ぐことができます。

オススメ転職サイトの特徴と違い →


注目の人気記事

管理人による転職体験記

介護士として、私が実際に転職サイトを使って転職した経験について記しています。求人探索で苦労した経験や、面接で失敗したことから、転職の際に大切だと感じたことなどを詳細に述べています。

→ 管理人による転職体験記

転職サイトを有効活用する方法

転職サイトを活用することは、転職で成功するために有効な手段です。ただ、転職サイトは使い方を間違えると、転職で失敗することにつながります。そのため、転職サイトの有効な活用方法を理解しておくことが大切です。

→ 転職サイトを有効活用する方法

おススメの転職サイトの特徴と比較

転職サイトを活用する際には、それぞれの転職サイトにおける特徴を理解した上で、あなた自身に適した転職サイトを利用することが大切です。介護職者に特化した転職サイトを比較・検討した上で、登録する転職サイトを決めましょう。

→ おススメの転職サイトの特徴と比較

派遣の介護職求人を探す

派遣として介護職で働く

介護職者が派遣として転職したい場合には、派遣に特化した転職サイトの活用をおススメします。派遣に特化した転職サイトに登録することで、多くの派遣求人を紹介してもらえるだけでなく、派遣ゆえに起こりやすいトラブルもスムーズに解消することができます。

→ 派遣として介護職で働く

  • ジョブメドレー
  • マイナビ介護職
  • メドフィット
  • カイゴジョブ
  • ハクビ