介護士が給料を上げるポイントと具体的な方法:介護転職
介護士の中には、現在の職場における給料(年収、収入)に不満を抱えている人が多くいます。確かに、介護士の給料は他の職種と比較してかなり安いです。
そして、いくら同じ職場で長年働いても、それだけで定期的に収入が上がることはありません。また、他の人と同じようなことをしていても、経営者から評価されることはないため、給料は高くなりません。
そうした中で、低リスクで確実に年収を上げる方法として転職があります。キャリアアップ転職や、好条件の求人を見つけて転職することができれば、負担なく簡単に収入をアップさせることができます。ただ、転職によって給料を上げるためには押さえておくべきポイントがいくつかあります。
そこで今回は、「介護士が転職によって年収をアップするポイント」について解説します。
介護士の現状
介護士の現状として、「業務が忙しい上に収入は少ない」というのが実際です。ただ、そうした状況ゆえに、介護士としての仕事がなくなることは少ないです。介護業界では、激務で安月給の職場が多いため、すぐに仕事を辞める人がたくさんいます。
実際に、デイサービスなどで仕事をしていると、入職して数日から数週間で無断で出勤しなくなったり、数ヶ月で転職したりする人はたくさんいます。また、こうした早期の離職や転職は、若い人に限らず、40代や50代で介護業界に入った人にも多いです。
そのため、基本的に介護の現場は慢性的な人手不足になっています。常にギリギリの人数で仕事を回しているため、現場が慌しい上に、働くスタッフにはさまざまな業務をこなすことが求められます。
例えば、介護士としてデイサービスに入職したとします。通常であれば、送迎やレクリエーション、入浴介助、食事介助などが介護士の主な仕事内容です。ただ、現場のスタッフが足りていない場合には、調理場に入って食事の準備を手伝わなければいけないようなこともあります。
このように、基本的に介護の現場は人手不足であるところがほとんどです。そのため介護士は、「求人数が多く、就職先には困らない」というのが現状です。さらに、未経験者も受け入れてくれるところが多いため、職がなくなる心配は必要ないといrます。
ただ、そうした現状ゆえに、転職する際には職場選びが重要になります。
年収の平均は210~320万円程度
介護士が転職や離職を考える理由の1つに、「仕事が激務であるのに対して給料が安い」ということが挙げられます。基本的に、介護の現場は人手が足りていないために、業務は忙しくなりやすいです。さらに、利用者の転倒などのリスクが高いため、責任も重い仕事だといえます。
例えばデイサービスで働く介護士であれば、利用者の送迎からバイタル測定や体操、レクリエーション、運動の指導、入浴介護など、1日で行うべき仕事は多岐に渡ります。
その中で、常に周囲の利用者の行動に目を配らせて、転倒やトラブルの発生リスクに注意しておかなければいけません。そして、そうした業務が終わった後に、ミーティングや書類作成、レクリエーション、季節ごとのイベントの準備などを行わなければいけません。
そうした激務である介護士の平均年収は、210~320万円になります。具体的な月収でいうと、15~26万円と大きく幅があります。
この給与額は、一見するとそこまで悪くないように感じるかもしれません。しかし、介護士の平均年齢は40歳を超えているため、年齢の割にはかなり低いです。実際に、20代で介護士として正社員で働いている人であれば、手取りで月12~15万円前後位であることがほとんどです。
確かに、結婚もしておらず実家で暮らしているような状況であれば、これくらいの収入でも生活することには支障がないかもしれません。ただ、ひとり暮らしをしている人や、結婚して家族を養わなければいけないような立場にある人にとっては、とても十分な収入とはいえません。
介護士は、このように「激務である上に低収入である」という現状を知っておくことが大切です。
以下、厚生労働省の統計(平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果)により算出された、職場別による介護士の平均給与額を記します。ちなみに、この調査は、対象年齢が高いため平均月収額は実際よりも多めです。
・介護職員初任者研修修了者(介護職員基礎研修修了者)における職場別給料
平均年齢(歳) | 平均勤続年数(年) | 平均給与額(円/月) | |
---|---|---|---|
全体 | 44.1(47.6) | 6.3(7.5) | 267,410 (283,540) |
介護老人福祉施設 | 39.1(39.2) | 5.9(6.3) | 295,580 (306,270) |
介護老人保健施設 | 40.3(44.5) | 6.4(6.1) | 283,320 (290,310) |
介護療養型医療施設 | 45.6(41.4) | 7.8(7.7) | 248,410 (245,070) |
訪問介護事業所 | 48.5(51.0) | 7.2(8.2) | 267,850 (283,880) |
通所介護事業所 | 42.1(45.2) | 5.5(6.6) | 246,100 (277,230) |
認知症対応型共同生活介護事業所(グループホーム) | 45.7(45.0) | 5.7(6.6). | 248,340 (262,510) |
*ここで示されているのは、介護職員処遇改善加算(1)~(4)の届出をしている事業所を対象に調べられた値です。
介護士が給与を上げる方法
介護士には、仕事は無くなりにくい一方で、激務で安月給という現状があります。そうした中で、介護士が給与を上げる方法について以下に記します。
上位資格を取得する
介護現場において、介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)は多くの人が持っている資格です。ただ、これだけでは資格手当が支給されないことがほとんどです。
そこで、資格手当てがプラスされるような介護の上位資格を取得することで、必然的に給料を上げることができます。
例えば、「介護福祉士」は介護士の上位資格としてよく知られているものです。国家資格ではありますが、難易度はそこまで高くありません。そして介護福祉士を取得すると、月に数千~1万円の資格手当てが支給される職場がほとんです。
その他にも、「ケアマネージャー(ケアマネ:介護支援専門員)」や「社会福祉士」などが、介護職の上位資格として挙げられます。ただ、介護福祉士と比較すると、これらの資格は難易度が格段に高くなることを理解しておく必要があります。
また、ケアマネや社会福祉士になると、介護士や介護福祉士などとは業務の内容が大きく変わります。そのため、職場の選択肢は広がりますが、「介護の現場で仕事をしたい」と考えている人は、ケアマネや社会福祉士の仕事についてしっかり学んだ上で、資格取得を目指すことが大切です。
こうした新たな資格を取得することは、介護士が給与を上げる現実的な方法だといえます。
新規事業を提案する
介護士が収入を上げる方法の1つとして、「新規事業を提案する」ということが挙げられます。つまり、会社の利益を上げるような新しいアイデアを出して、「増収につなげることで経営者に評価してもらう」ということです。
例えば、デイサービスであれば、利用者の役に立つような商品の販売を行うことで、会社の売上アップが期待できます。
また他にも、介護サービスの利用で悩んでいる人に対する有料の相談サービスを行うことも、会社の利益を上げることにつながります。たとえ相談料を無料にしても、相談を受けて施設を紹介することで、紹介先から紹介料をもらうようなシステムにすることもできます。
このように、会社の利益を上げるようなアイデアを提案して実現することができれば、収入アップにつながります。
ただ、一般職であればこうしたアイデアが受け入れられることは少ないです。また、たとえ管理職であっても、そうした職員の意見に対して前向きであるような経営者でなければ、スタッフの提案を実践してくれない可能性が高いです。
こうしたことから、新規事業の提案による収入アップは、「現実的に難しいことが多い」というのが現状です。しかし、中にはこうしたことを実践して給料が上がった人もいるため、考慮してみる価値はある手段だといえます。
転職する
介護士に限らず、「転職して収入が高い職場へ移る」ということは、最も簡単に給料アップを実現しやすい方法だといえます。
例えば、管理職者を募集している職場に管理職として転職すれば、あなたの収入は必然的に高くなります。また、一言で介護職といっても職場によって介護士の給料は変わります。
厚生労働省の調べによると、特別養護老人ホーム(特養)などの老人福祉施設、老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、訪問介護、通所介護(デイサービス)の順で平均の月収は高いことが明らかになっています。
これは目安でしかありませんが、同じ職種で同じ仕事内容であっても、職場によって収入が異なることは事実です。そのため、給料が高い転職先を見つけて転職することで、簡単かつ確実に収入アップを実現することができます。
ただ、そうした高収入の職場は見つかりにくい上に、「残業や休日出勤が多い」「人間関係が悪い」といった、何かしらの問題があるところがほとんどです。
そのため、転職による収入アップを狙う場合には、介護士専門の転職サイトを活用することをお勧めします。転職サイトには、求人サイトやハローワークなどに掲載されていないような非公開である高額求人が多くあります。
また、転職サイトに登録すると、専門のアドバイザーが仲介してくれるため、仕事環境に問題がある職場は選別して紹介してくれます。
こうしたことから、転職サイトを利用することで、良質かつ高収入な転職先への転職が実現しやすくなります。
介護士における高収入が得られる職場
既に述べたように、転職して収入を上げる方法の1つとして「キャリアアップ転職を狙う」ということが挙げられます。
キャリアという言葉には、「職業、技能上の経験」「経歴」といった意味があります。つまり、キャリアアップとは、経験や実績を重ねることで経歴を高めることを指します。
具体的には、主任や科長、施設長などの管理職に就くことをキャリアアップといいます。そのため、キャリアアップ転職とは、転職によって現在よりも高い役職になることを指します。
ただ、一言でキャリアアップ転職といっても、実際には「管理職者募集の求人へ応募する」「キャリアアップしやすい職場へ転職する」という2つの方法があります。そこで以下に、それぞれの転職によるキャリアアップについて記します。
管理職者募集の求人
ハローワークや求人サイトなどに掲載されている介護士の求人には、管理職者を募集しているものもあります。
例えば、「施設管理者募集」「管理職経験者募集」といったことが書かれている求人です。こうした求人に応募すると、転職後は管理職者として働くことになります。
そうなると、当然ながら管理職者として入職するため、最初から「役職手当」が付いています。それぞれの職場によって手当額は異なりますが、主任であれば1~5万、施設長クラスであれば5~7万円は支給されるところが多いです。
つまり、管理職者募集の求人を見つけて転職すると、それだけで高収入を得ることができるようになります。
ただ、管理職者募集に応募する際には注意しなければいけないこともあります。それは、「管理職者としての業務は想像以上に大変である」ということを知った上で行動しなければいけません。
具体的には、管理職であれば、昼休みや業務後の会議、もしくは管理業務など、日常業務以外の仕事を任せられるようになります。そのため、帰宅時間が遅くなったり昼休みが十分取れなくなったりすることもあります。
また、中間管理職であれば、経営者や上司と部下の間に挟まれてしまい、大きな精神的負担を抱えるような場合も少なくありません。
役職手当は、そうした負担に対する手当であるため当然のことですが、管理職はあなたが想像している以上に大変な仕事であることを理解しておいてください。管理職者募集の求人に応募する際には、こうしたことを覚悟した上で行動することが大切です。
キャリアアップしやすい職場
介護士が管理職者募集の求人に応募して転職することができれば、それだけで大幅に収入が上がる可能性は高いです。ただそうはいっても、ハローワークや求人サイトで、管理職者を募集している求人は多くありません。
そうした状況で収入アップを望むのであれば、「転職後にキャリアアップしやすい職場を見つける」ということをお勧めします。つまり、最初は一般職として入職して、短期間で管理職になれるような職場へ転職します。
例えば、施設のオープニングスタッフを募集している求人などはその典型例です。基本的に、管理職になるためには、その職場においてある程度の勤続年数が必要になります。長年勤めることで経営者からの信頼を得やすくなるため、管理職として任命されやすくなります。
そのため、転職者はどれだけ能力が高くても、転職後に役職に就くまでには時間がかかるのが一般的です。
その一方で新しい施設であれば、スタッフ間におけるその職場での経験年数は同じです。そのため、勤続年数によるハンディキャップがなくなるため、あなたの頑張り次第で早期に管理職を任せられる可能性が高くなります。
その他にも、現場に管理職者がいない職場や若いスタッフが中心となっているところでは、転職後であっても役職に就きやすい傾向にあります。
このように、管理職者として転職するのではなく、転職後に役職に就きやすい職場を見つけることも、転職によって収入を上げる1つの有効な方法だといえます。
好条件の求人を手に入れる
介護士は、管理職者募集の求人やキャリアアップしやすい職場を見つけることで、転職によってキャリアアップを成功させることができます。ただ、介護士の中には「役職に就かずに年収を上げたい」と考える人も少なくありません。
既に述べたように、管理職として働くようになると、拘束時間も長くなりますし、負わなければいけない責任も重くなります。そのため、介護士に限らず、役職に就きたくないと思っている人は多いです。
そうした中で、転職によって収入アップを実現するためには、「好条件の求人を見つける」ということが必須になります。好条件の求人とは、給料面に限らず、休日数や福利厚生といったように、労働条件が良い求人のことをいいます。
例えば、「年収400万円以上」「年間休日数120日以上」といったような条件が揃っている求人は、好条件求人だといえます。
そして、給料面に関する好条件求人を見つけることができれば、一般職として転職しても高い年収をもらえるようになります。そうすれば、管理職職者としての苦労を負うことなく、転職で収入を上げることができます。
ただ、好条件求人は、一般公開されているようなハローワークや求人サイトには、なかなか掲載されていません。
好条件求人を効率的見つけるためには、介護士専門の転職サイトを活用することをお勧めします。転職サイトは、「非公開求人」と呼ばれる、好条件求人を多く抱えています。そのため、転職サイトに登録すると、そうした非公開求人を紹介してもらうことができます。
こうしたことから、管理職に就かずに好条件の職場へ転職したい場合には、介護士専門の転職サイトへ登録するようにしましょう。そうすることで、あなたの希望する条件に合った求人が見つかりやすくなります。
今回述べたように、介護士が転職によって収入を上げるためには、「管理職者募集の求人」もしくは「キャリアアップしやすい職場の求人」を見つける必要があります。また、管理職者に就かなくても、そもそも給料が高い好条件の求人であれば、一般職のままで収入を上げることができます。
そして、介護士が好条件求人を探す場合には、介護士専門の転職サイトを活用することをお勧めします。転職サイトを上手く活用することで、効率的にあなたの希望に合った求人を紹介してもらうことができるようになります。
ちなみに、管理職者募集の求人も、非公開求人として転職サイトのみで扱っていることが多いです。
そのため、現在の収入に悩んで転職を考えている人は、ぜひ転職サイトを活用してあなたの不満を解消するようにしましょう。
介護関連職者が転職を行うときは、転職をサポートしてくれる転職サイトを有効に活用することであなたに適した求人と出会うことができるようになります。
自分ひとりで求人の探索を行っても、数ある求人情報から自分に合った求人を見つけることは難しいです。また、どれだけ頑張っても2~3社へのアプローチが限界です。さらに、給料面や休日などの労働条件を交渉することは現実的ではありません。
転職サイトに登録して専門のコンサルタントに依頼すれば、100社ほどの求人からあなたに最適の条件を選択できるだけでなく、病院や施設、企業との条件交渉まで全て行ってくれます。
ただ、当然ながら転職サイトによって対応やサービス内容は異なります。例えば、電話だけの面接で済ませる会社があれば、必ず直接会って面接するところもあります。また、地方の求人に強い会社があれば、都心部の求人を多く抱えている会社もあります。
転職サイトを活用する際には、こうしたそれぞれの転職サイトの特徴を理解しておくことが大切です。以下のページで介護職者におススメの転職サイトにおける特徴を解説しています。それぞれの転職サイトの違いを学んだ上で利用することで、転職での失敗を防ぐことができます。
注目の人気記事
管理人による転職体験記
介護士として、私が実際に転職サイトを使って転職した経験について記しています。求人探索で苦労した経験や、面接で失敗したことから、転職の際に大切だと感じたことなどを詳細に述べています。
転職サイトを有効活用する方法
転職サイトを活用することは、転職で成功するために有効な手段です。ただ、転職サイトは使い方を間違えると、転職で失敗することにつながります。そのため、転職サイトの有効な活用方法を理解しておくことが大切です。
おススメの転職サイトの特徴と比較
転職サイトを活用する際には、それぞれの転職サイトにおける特徴を理解した上で、あなた自身に適した転職サイトを利用することが大切です。介護職者に特化した転職サイトを比較・検討した上で、登録する転職サイトを決めましょう。
派遣の介護職求人を探す
派遣として介護職で働く
介護職者が派遣として転職したい場合には、派遣に特化した転職サイトの活用をおススメします。派遣に特化した転職サイトに登録することで、多くの派遣求人を紹介してもらえるだけでなく、派遣ゆえに起こりやすいトラブルもスムーズに解消することができます。