
結論:無資格でも夜勤に入れる職場があります。ただし、入職後すぐに一人で任される職場もあれば、研修と日勤の経験を経てから入る職場もあります。求人を探すときは「夜勤に入るまでの研修」「夜勤の人数」「休憩・仮眠の取り方」の3つを確認すると安心です。
介護業界へ転職する人の中には、介護資格を持っていない人も少なくありません。無資格で介護職を目指す人には、「夜勤」に不安を感じる人が多くいます。「利用者さんが急に体調を崩したらどうしよう」「一人で多くの利用者さんに対応できるだろうか」「休憩や仮眠はきちんと取れるのだろうか」と考えるのは自然なことです。
ただ、職場選びのポイントを押さえれば、無資格から夜勤に入れる職場を探せます。この記事では、無資格の介護職が夜勤あり求人を探す方法と、夜勤のメリット・注意点を解説します。
この記事の要点
- 無資格でも夜勤に入れる職場があります(条件は事業所ごとに異なります)
- 多くの職場では、研修と日勤の経験を経てから夜勤に入ります(時期は事業所によって異なります)
- 一人夜勤かどうか、休憩・仮眠の実態を、応募前に確認する
- 夜勤には深夜割増賃金などがあり、収入面のメリットがあります
- 夜勤あり求人は、介護職専門の転職サイトのアドバイザーに相談すると探しやすくなります
無資格の介護職は夜勤をできるのか
無資格で介護職として働く人の多くが、「夜勤をするのに資格は必要なのか」と疑問に思っています。結論から言うと、無資格であっても、介護職として夜勤に入れる職場があります。夜勤に入る条件は事業所ごとに定められているため、応募先で確認してください。
とはいえ、夜勤は少ない人数で食事介助やトイレ介助、おむつ交換などを行います。介護の基本的な知識や技術、緊急時の対応マニュアルを身に付けてから夜勤に入るほうが、ご自身にとっても利用者さんにとっても安心です。また、数人で夜勤に入る場合でも、経験の浅いスタッフには先輩のサポートが必要になるため、多くの職場は段階を踏んで夜勤を任せます。
無資格の職員に求められる認知症介護基礎研修
介護サービス事業者は、介護に直接携わる職員のうち、医療・福祉関係の資格を持たない人に、認知症介護基礎研修を受講させるために必要な措置を講じることが義務付けられています。令和3年度の介護報酬改定で義務化され、3年間の経過措置を経て、令和6年4月1日から完全に施行されています。
新しく採用した無資格の職員の受講時期や猶予の扱い、受講方法は、事業所・自治体によって異なる場合があります。応募の際に「入職後の研修の流れ」を確認しておくと安心です。
夜勤の仕事内容
夜勤の仕事は、日勤と重なる部分が多くあります。就寝前と起床後の更衣介助のように、夜勤ならではの業務もあります。主な業務は次のとおりです。
- 食事介助(服薬の見守りなどを含む場合があります)
- 就寝前と起床後の更衣介助
- 排泄介助
- おむつ交換
- 見回り、巡回
- ナースコール(呼び出し)の対応
服薬に関する業務の範囲は、施設の種類や職員の資格によって異なります。無資格の方が担当できる範囲は、入職先で確認してください。
3交代制と2交代制
夜勤のシフトには、「3交代制」と「2交代制」の2つの勤務体制があります。時間帯は職場によって異なりますが、一般的なイメージは次のとおりです。
| 勤務体制 | シフトの例 | 夜勤の拘束時間の目安 |
|---|---|---|
| 3交代制 | 日勤(6:00〜14:00)/遅番(14:00〜22:00)/夜勤(22:00〜翌6:00) | 約8時間(休憩を含む) |
| 2交代制 | 日勤(9:00〜17:00)/夜勤(17:00〜翌9:00) | 約16時間(休憩・仮眠を含む) |
時間帯や休憩の長さは、事業所ごとに異なります。数字はあくまで例です。求人票や面接で、実際のシフトと休憩・仮眠の時間を確認してください。
1ヶ月の夜勤回数
夜勤の頻度は、職場や雇用形態によって大きく異なります。月に数回の職場もあれば、夜勤専従のように夜勤を中心に働く形もあります。回数が多いほど体への負担は増えるため、求人を探す際は「月の夜勤回数の目安」を忘れずに確認しましょう。
夜勤に入るまでの期間
無資格・未経験の方は、研修を受けたり日勤で経験を積んだりしてから夜勤に入る職場もあります。時期は事業所によって異なり、明確な期間を決めていない職場もあります。入職前に「慣れたら夜勤をお願いします」程度の説明しかない場合もあるため、次の点を面接で聞いておくと安心です。
- 夜勤に入るまでの研修やマニュアルがあるか
- 最初の夜勤は、先輩職員と一緒に入れるか
- 夜勤に入る時期の目安はいつごろか
無資格の介護職が夜勤で働く際の注意点
無資格でも夜勤はできますが、事前に知っておきたい点があります。理解したうえで職場を選べば、入職後のミスマッチを減らせます。
一人夜勤の職場がある
夜勤の人数は、施設の種類や規模、利用者さんの人数によって異なります。夜間は職員が一人で対応する職場もあります。無資格の方にとって一人夜勤は不安が大きいため、次の点を確認しましょう。
- 夜勤は何人体制か(一人夜勤か、複数人か)
- 緊急時に連絡できる体制(オンコール、看護師との連絡など)があるか
- 見守り機器など、夜間の負担を減らす設備があるか
夜勤の人員配置は事業所によって対応が異なります。詳しくは入職先に確認してください。
休憩・仮眠が十分に取れるかを確認する
休憩時間は夜勤でも、労働基準法のルールが適用されます。厚生労働省は、使用者は労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければならないと案内しています。そのため、8時間を超える夜勤では、最低でも1時間以上の休憩が必要です。
実際の取りやすさは職場によって異なります。特に一人夜勤の場合は、利用者さんの対応で休憩が中断されることもあるようです。次の点を確認しておくと、入職後のギャップを減らせます。
- 休憩・仮眠の時間は何分か、仮眠する場所があるか
- 休憩中にナースコールが鳴った場合、どのように対応しているか
- 仮眠・休憩が中断された場合の扱い(時間外手当など)はどうなっているか
夜勤の負担から離職を考える人もいる
夜間は利用者さんの体調が急に変わることもあり、状況を判断して対応する場面があります。必要に応じて、救急車を呼ぶなどの対応も求められます。夜勤中の判断が利用者さんの安全に関わることもあるため、無資格で経験が浅い間は、不安やプレッシャーを感じやすいものです。
有資格者でも緊急時には緊張するものです。不安を一人で抱え込まないためにも、「緊急時のマニュアル」「相談できる先輩や看護師の体制」が整っている職場を選ぶことが大切です。
無資格の介護職が夜勤で働くメリット
注意点がある一方で、夜勤にはメリットもあります。特に、収入面のメリットは大きなポイントです。
夜勤手当や深夜割増賃金がつく場合があります
夜勤をすると、事業所ごとに定められた夜勤手当が支給される場合があります。金額は職場によって異なるため、求人票で「1回あたりの夜勤手当」を確認しましょう。
また、午後10時から午前5時までの間に働いた場合は、深夜割増賃金が支払われます。労働基準法第37条では、通常の労働時間の賃金の計算額の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うこととされています(厚生労働省のQ&Aによる)。
たとえば、日勤の時給が1,000円の職場であれば、深夜の時間帯は時給1,250円以上になります。数字は計算の例です。夜勤手当や割増賃金があるため、夜勤のある働き方は、日勤のみの場合より収入が高くなりやすい傾向があります。
無資格の介護職が夜勤ありの求人を探す方法
夜勤には収入面のメリットがある一方で、注意したい点も多くあります。事前の確認が足りないまま入職すると、ミスマッチから短期間で再び転職を考えることになりかねません。
応募前に確認したいチェックリスト
| 確認すること | 見るポイント |
|---|---|
| 夜勤に入るまでの研修 | 研修・マニュアルの有無、最初の夜勤は先輩と一緒か |
| 夜勤の人数 | 一人夜勤か複数人か、緊急時の連絡体制 |
| 休憩・仮眠 | 時間、仮眠場所、中断時の扱い |
| 夜勤の回数 | 月の回数の目安、希望は伝えられるか |
| 夜勤手当 | 1回あたりの金額、深夜割増賃金の扱い |
介護職専門の転職サイトを活用する
ミスマッチを減らす方法のひとつが、介護職専門の転職サイトを使うことです。転職サイトでは、担当のアドバイザーが希望に合う求人を紹介してくれるサービスがあります(利用料などの条件はサービスによって異なります)。
介護業界の事情に詳しいアドバイザーであれば、夜勤の人数や休憩の取りやすさなど、求人票だけでは分かりにくい点を聞ける場合があります。気になることは遠慮なく質問してみてください。
無資格・未経験の方が応募できる求人を扱うサービスとして、「ジョブメドレー介護」「ミライユキャリア」「レバウェル介護派遣」などがあります。サービスの内容や求人は変わることがあるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。
よくある質問
Q. 入職してすぐに夜勤に入ることはありますか。
職場によって異なります。研修や日勤の経験を経てから夜勤に入る職場もあれば、人手の事情で早い時期から夜勤に入る職場もあります。面接で「夜勤に入るまでの流れ」を聞いておくと安心です。
Q. 一人夜勤が不安です。避けたほうがよいですか。
不安が強いうちは、複数人で夜勤に入る職場や、最初は先輩と一緒に入れる職場を選ぶと安心です。緊急時の連絡体制が整っているかも確認しましょう。
Q. 夜勤をしないで働くことはできますか。
デイサービスなど、夜勤のない事業所もあります。夜勤の有無は求人票で確認できますので、ご自身の生活に合う働き方を探してみてください。
無資格で夜勤ありの職場を探すときは、事前の確認が何より大切です。専門のアドバイザーにも相談しながら、安心して働ける職場を見つけましょう。