介護士が退職・転職を考える理由と転職理由の伝え方

 

介護士が転職する際には、必ず現在働いている職場を退職する理由があります。例えば、「給料が安い」「有給が取れない」「残業が多い」といったものです。

 

このように退職・転職を考える理由はネガティブであることが多いのが現状です。

 

そして、転職時の面接においては、ほとんどの場合に退職・転職理由を尋ねられます。ただ既に述べたように、多くの人が退職・転職する理由はネガティブなものです。そのため、正直に退職・転職理由を答えると、採用選考でマイナスとなってしまう可能性が高くなります。

 

そうしたことから、介護士の中には面接時における退職・転職理由の伝え方について悩んでいる人は少なくありません。

 

しかし、退職・転職理由を尋ねられた際には、たとえネガティブな理由だからといっても、嘘をついてはいけません。退職・転職理由がネガティブなものである場合には、伝え方を工夫することが大切です。

 

どんなにネガティブな退職・転職理由であっても、伝え方次第では採用担当者に対して良い印象を与えることができるようになります。

 

そこで今回は、「介護士が退職・転職を考える理由と転職理由の伝え方」について解説します。

 

介護士が退職・転職を考える理由

介護士は、さまざまな職種の中でも離職率が高いと考えられています。実際に厚生労働省の「雇用動向調査」と、介護労働安定センターの「介護労働実態調査」によると、介護職員の離職率は高い傾向にあることが明らかです

 

  介護職員(常勤) 一般労働者(常勤)
離職率(%) 16.8 12.4

*平成25年度の介護労働実態調査

 

ただ、介護職員の離職率は年々下がってきている現状もあります。具体的には、平成19年度における介護職員(非常勤も含む)の離職率が21.6パーセントであったのに対して、平成25年度では16.6パーセントまで下がっているのです。

 

そうはいっても、介護士(介護業界)における離職率が高いことには変わりありません。

 

介護職員が抱える悩み

そして、介護職員が持つ働く上での労働条件等の悩みや不安、不満を調査した、介護労働安定センターの「介護労働実態調査(平成25年に実施)」では、以下のような結果が報告されています。

 

  悩み、不安、不満の内容 全体に対する割合(%)
1位 人手が足りない 48.3
2位 仕事内容のわりに賃金が安い 42.3
3位 有給休暇が取りにくい 34.9
4位 身体的負担が大きい 30.4
5位 業務に対する社会的評価が低い 28.6
6位 精神的にきつい 27.4
7位 休憩が取りにくい 25.7
8位 夜勤中にトラブルが発生しないか不安 18.6
9位 健康面(感染症、怪我)の不安がある 14.0
10位 労働時間が不規則 12.1

*複数回答あり

 

こうした調査結果から、介護職員が悩みや不安、不満が明らかになりました。

 

介護職員が仕事をやめた理由

また、同じ調査で「直前に介護の仕事をやめた理由」としては、以下のような結果が報告されています。

 

  やめた理由 全体に対する割合(%)
1位 職場の人間関係に問題があったため 26.6
2位 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があったため 22.7
3位 他によい仕事・職場があったため 18.8
4位 収入が少なかったため 18.3
5位 自分の将来の見込みが立たなかったため 15.9
6位 新しい資格を取ったから 10.0
7位 結婚・出産・妊娠・育児のため 8.5
8位 人員整理・推奨退職・法人解散・事業不振等のため 6.4
9位 家族の介護・看護のため 4.6
10位 自分に向かない仕事だったため 4.1

*複数回答あり

 

このように、介護職員が退職・転職した理由としては、「職場の人間関係が最も多い」ということが明らかになっています。そして、ネガティブな理由が半数以上を占めているのが現状です。

 

転職時の退職理由の伝え方

ここまで述べたように、介護士の転職・退職理由はさまざまですが、圧倒的にネガティブな理由が多いです。そして、退職・転職理由がネガティブである場合には、転職時の面接で退職・転職理由を尋ねられた際に、伝え方を工夫しなければいけません。

 

避けるべき退職・転職理由の伝え方

前職場における退職理由がネガティブな場合、そのまま伝えてしまっては採用選考で不利になる可能性が高いです。

 

例えば、「人間関係が上手かなかった」ということを伝えると、面接担当者からは「本人(応募者)の人格にも問題があるのではないか?」「うちの職場でも職員に溶け込むことができないのではないか?」というように、マイナスに捉えられる可能性があります。

 

また、「結婚や出産、介護などの家庭の事情」などの理由であれば、「また同じように家庭の事情で突然退職するのではないか?」と考える採用担当者もいます。

 

こうしたことから、ネガティブな退職理由をそのまま伝えることは避けるべきだとえいます。

 

ただそうはいっても、嘘を付くことも避けるようにしてください

 

退職・転職理由で嘘を付いてしまうと、退職理由について深く尋ねられた際に、上手く答えられずにボロが出る可能性があります。また、採用選考の面接官は人間を見るプロです。たとえ、質問に対してスムーズに答えることができたとしても、ちょっとした目の動きなどの仕草から嘘を見抜いてしまいます。

 

そのため、面接時に嘘を付くと、面接官にバレてしまい結果的に不採用となる可能性が高いです。

 

このように、介護士が面接時に退職・転職理由を伝える際には「そのまま伝えること」と「嘘を付くこと」は避けるべきだといえます。

 

退職・転職理由を伝える際のポイント

介護士が退職・転職理由を伝えるときは、あまりに正直に答えることも問題ですし、嘘を付くこともいけません。真実を言いながらも、上手く伝えることが大切です。

 

そこで以下に、退職・転職理由を伝える際のポイントについて記します。

 

・環境や他人など、自分以外のせいにしない(前職場の愚痴を言わない)
・実際に退職するまでに改善しようとしたことを伝える
・ネガティブな退職理由の後に「転職後はどうしたいか」というポジティブな考えを述べる
・より具体的な理由を述べる
・矛盾がなく、一貫性のある退職理由にする

 

採用されやすい退職・転職理由の伝え方の例文

それでは、以上に挙げた退職・転職理由を伝えるポイントを元に、ネガティブな退職・転職理由における伝え方の例文を以下に記します。

 

 ・人間関係に問題があった場合

現職場は施設であり、それぞれの仕事を個人個人でこなすような業務が主です。そして、業務改善に関するミーティングなどはほとんど行われていません。ただ、介護現場で働く中で、職員同士で介護のあり方について話し合ったり、意見交換を行ったりすることの重要性を実感しています。

 

そこで、業務改善に関するミーティングを頻繁に行っている貴施設であれば、職員がチームとして働くことができ、利用者に対してより良いサービスを提供できるのではないかと考え、転職を決断しました。

 

基本的に、「人間関係トラブルが原因で退職した」という理由を述べることは、転職面接時にはNGです。そのため、そうではなく「人間関係が良好な職場へ転職した後に行いたいこと」などのポジティブなことを述べるようにすると良いでしょう。

 

 ・法人や施設、事業所の理念、運営のあり方に不満があった場合

今の職場では、高く評価してもらい管理職という立場に就かせていただいています。そうした中で、責任ある管理の仕事をたくさん任せられるようになりました。ただ、私はやはり管理ではなく「現場での仕事を行いたい」という気持ちを強くもっています。

 

施設側にその意向を何度か伝えはしたものの、立場や仕事内容を変えてもらえる様子がありませんでした。貴施設であれば、介護現場で働くことができると考えたため、転職を決意しました。

 

不満を持った内容にもよりますが、転職希望先の施設では当てはまらないような事であれば、具体的な内容を伝えるべきです。ただ、その際には「現職場の愚痴は述べない」ということだけには注意しましょう。

 

 ・他に良い仕事・職場があったため、自分に向かない仕事であったため

現職場はデイサービスであり、10年間勤めてレクリエーションや運動指導などを学ばせていただきました。

 

ただ、これまで介護現場で働いてきて、私が行いたいことは「認知症を患った人に対する介護である」ということに気付かされました。そのため、認知症の利用者を主な対象としている貴施設への転職を決意しました。

 

このように、「働いている職場より魅力的な仕事や職場が見つかった」もしくは「自分に向かない仕事であった」といった理由であれば、「新たに興味を持った分野・業務などができたこと」、そして「そのことと転職先の業務内容が合致していること」をはっきりと述べると良いでしょう。

 

 ・収入が少なかったため、将来の見込みが立たなかったため

現職場では、数年間働かせてもらった中でさまざまなことを学ばせていただきました。ただ、結婚と出産を機に今の収入では生活ができない状況になりました。

 

上司に夜勤を増やすなどの提案を試みましたが、今の職場ではこれ以上収入を上げることは難しいのが実際でした。そこで、生活できる程度の収入を確保できる転職先を探していたところ、貴施設の求人を発見したため転職を決意しました。

 

退職理由として「お金に関することは避けるべき」という考え方もありますが、実際には正直に話してもあまりマイナスの印象を与えないことがほとんどです。例文のように、「求人票に掲載されている待遇に納得している」という前提で話をすれば、相手に対して悪い印象を与えません。

 

 ・結婚、出産、、育児のため

前職場は、長女の出産を機に退職しました。そして、長女が3歳となり幼稚園に入園することが決まり、復職を考えました。

 

そうした中で、近くに住む実家の両親の協力を得ることができたため、復職を決意しました

 

このように、結婚や出産、育児が理由である場合には、復職するに至った明確な理由を述べるようにしましょう。面接担当者は、結婚や出産、育児が理由で退職した人に対しては、「子どもが小さいうちは急に休むことが多いのではないだろうか?」「家庭と仕事の両立は大丈夫なのだろうか?」という不安を持ちやすいです。

 

そのため、しっかりと家族のサポートがあることを伝えるようにすることが大切です。

 

 ・家族の介護、看護のため

前職場は、脳梗塞で母が倒れて介護が必要になったために退職しました。ただ、母の体調もだいぶ良くなり、さらに姉が実家に戻ってきて母と一緒に暮らすことになりました。そのため、私自身に仕事を行う時間的な余裕ができ、復職することを決意しました。

 

家族の介護や看護に関しても、出産や育児のときのように、復職するようになった経緯やサポート状況などを明確に述べることが大切です。そうすることで、面接担当者が持つ「また同じような状況で退職するのでは?」という不安を解消することができます。

 

今回述べたように、介護士が退職・転職を考える理由は、人によって異なります。また、退職理由がネガティブなものであれば、転職面接時には伝え方を工夫するようにすることが大切です。


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