介護職派遣の実態、悩み、メリット・デメリットについて全て解説

介護派遣実態

介護士や介護福祉士、ケアマネージャー(ケアマネ)、精神保健福祉士、社会福祉士などの介護職者の中には、派遣として働いている人もいます。

派遣の介護職として働ことで、資格取得に必要な実務経験を積んだり、高い収入を得たりしている人も少なくありません。その一方で、介護職の派遣について調べてみると、悪い噂が流れていることも事実です。

そして、介護職の派遣として働きたい人の多くは、派遣の実態について知りたいと考えています。誰であっても介護職における派遣の実際を知らずに派遣社員となることは避けたいはずです。

しっかりと介護職の派遣における実態を理解しておけば、派遣として働いて失敗することが少なくなります。

そこで今回は、「介護職の派遣に関する実態、悩みメリット・デメリット」について全て解説します。

パート(非常勤・アルバイト)と派遣の違い

介護職者で派遣として働く際、多くの人が持つ疑問として「パート(非常勤)と派遣は何が違うのか?」ということが挙げられます。

派遣も非常勤も、正社員ではなく働く時間を選択できるため、これらの違いを理解していない人は多いです。しかし実際には、パートと派遣は全く別物です。

パートと派遣の具体的な違いは、雇用主にあります。パートや非常勤の場合、雇用主は勤めている介護事業所や病院などです。これは正社員と同じです。その一方で派遣であれば、勤務先の職場ではなく登録した派遣会社に雇われることになります。

つまり、派遣として働く場合は、人材派遣会社と労働契約を結ぶことになります。そのため、給与の支払いや各種保険の手続きなどは全て派遣会社が行います。

このように、派遣とパートには「雇用主が異なる」という明確な違いがあります。介護職者の派遣として働きたいと考えている場合には、まずはこうしたパートと派遣の相違を理解しておくことが大切です。

登録型派遣と紹介予定派遣

また、一言で介護職の派遣といっても「登録型派遣」と「紹介予定派遣」の2つがあります。このうち、一般的にいわれる人材派遣は登録型派遣です。

登録型派遣とは、派遣会社に登録して雇用契約を派遣会社と結びます。そして、派遣先での就業開始とともに雇用関係が成立し、契約期間が終了すると雇用関係も終了します。

それに対して紹介予定派遣とは、将来的に正社員や契約社員として企業から直接雇用を受けることを前提に、職場を紹介してもらう方法です。紹介予定派遣として派遣された場合、数ヶ月(最長6ヶ月)の派遣期間後に企業側と本人が話し合うことで、直接雇用となるかが決まります。

当然ながら、企業側から断られることもありますし、あなたから直接雇用を拒否することもできます。

つまり、紹介予定派遣であれば「その職場が合っているかどうかを派遣として働きながら確認して、正社員として勤める職場を探すことができる」ということです。

そのため、紹介予定派遣は「正社員として勤めたいけど、実際に働いてみて就職先を決めたい」という人におススメの働き方です。

このように、一言で派遣といっても、登録型派遣と紹介予定型派遣という2つの働き方があることを理解しておくようにしましょう。

介護職者が派遣で働くメリット

介護職者が派遣として働くことには、いくつかのメリットがあります。特に「働く時間が自由に選べる」「実務経験を積むことができる」「時給が高い」の3つは、介護職者が派遣として勤めることで得られる代表的なメリットです。

そこで以下に、介護職者が派遣で働く3つメリットについて記します。

働く時間を自由に選択できる

介護職者が派遣として働く際には、正社員とは違って勤務時間や日数を調整することができます。

例えば、正社員であれば、多くの職場は1日8時間勤務で週5日出勤するようになります。その一方で派遣であれば、「1日4時間で週3日出勤」という働き方をすることができます。

また、サービス残業を強制されにくいことも派遣として働くメリットだといえます。

派遣社員に残業させるとなると、企業側は高い残業手当を支払わなければいけません。そして、もし残業を強制したにも関わらず残業手当を払わなければ、派遣社員は派遣会社に報告する可能性が高いです。

そうなると、その企業は派遣会社からの評判が悪くなるため、社員を紹介してもらいにくくなります。そうしたことを避けるためにも、派遣を利用している企業には、派遣社員に残業をさせないように徹底しているところが多いです。

こうしたことから、派遣であれば、子持ちの女性など長時間働くことができないような人でも、無理なく仕事をすることができます。

資格取得に向けた実務経験が積める

介護職として働く場合は、基本的に資格が必要ありません。確かに、介護士として仕事をする上では、介護の基本を学ぶために「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」を受講していることが好ましいです。しかし実際には、介護士として働くために特別な資格は要りません。

そうはいっても、介護の世界でキャリアアップを狙うのであれば、何らか資格を取得することは必須です。特に、「介護福祉士」と「ケアマネージャー(ケアマネ:介護支援専門員)」は、多くの介護職者が目指す資格です。

ただ、これら2つの資格を取得するためには、介護現場での実務経験が必要になります。

具体的には、介護福祉士は介護現場で3年以上働いた経験がなければ試験を受けることができません。それがケアマネであれば、5年以上の実務経験が必須であり、試験を受講する際に、「実務経験証明書」を提出しなければいけません(社会福祉主事任用資格者もしくは介護職員初任者研修受講者以外は10年以上の実務経験が必要)。

そして、派遣で働いた日数や時間は、実務経験として認められます。

そのため「子どもがいて正社員として働くことはできない」という人でも、派遣として実務経験を積むことで、介護福祉士やケアマネなどの資格を取ることができるようになります。

時給(給料)が高い

介護職者が派遣として働く場合、パート職員よりも時給が高いことがほとんどです。

例えば、デーサービスや老人ホームにおけるパート介護士(無資格)の時給は、地域や職場によって異なりますが1,000円前後が相場になります。その一方で派遣の介護士であれば、時給が1,500円超えているような求人も多くあります。中には、時給が2,000円を超えているところもあるほどです。

派遣会社を仲介している派遣スタッフは、派遣会社に手数料が支払われるため「直接雇用であるパートよりも時給が低いのではないか?」と考える人が多いはずです。しかし実際には、派遣の方が明らかに時給が高い求人がたくさんあります

これは「派遣であれば早く人材を紹介してもらえる」ということが影響しています。

介護現場には、慢性的な人手不足の状態である職場が多くあります。そして、そのような状態で退職者が出たときは現場が回らなくなります。そのため、緊急で人手が足りないときには、できるだけ早く新しいスタッフを入れなければいけません。

ただ、ハローワークや求人サイトに求人情報を掲載しても、すぐに応募があるとは限りません。むしろ、求人を出してすぐに就職希望者が集まることは稀です。

その一方で、派遣会社であれば、既に登録している介護職者がたくさんいるため、依頼すればすぐに人材を紹介してもらうことができます。そのため、高い給料や仲介手数料を払ってでも派遣を利用する介護事業所が多く存在するのです。
こうした理由から、介護職者の派遣はパートよりも高い時給で働くことができます。

介護職者が派遣で働くデメリット

介護職者が派遣で働くと、「働く時間が自由に選択できる」「実務経験を積むことができる」「時給が高い」というメリットを得ることができます。ただ、派遣にはデメリットもあります。

派遣として働きたいと考えている人は、メリットだけでなく派遣のデメリットについても理解しておくことが大切です。

そこで以下に、介護職者が派遣として働くデメリットについて記します。

派遣でも責任が重い

介護職者の仕事は、人と接する仕事になります。買い物や掃除といった生活介護がメインの職場もありますが、歩行介助やベッドからの移乗といった身体介護を求められることも多々あります。

当然ながら、身体介護を行う際には、過って転倒させてしまったり体を捻ったりしてしまうリスクがあります。場合によっては、あなたの介護技術が未熟なために、利用者を骨折させてしまう可能性もあります。

そしてこのような事故が起こった場合には、たとえ派遣であっても責任を負わなければいけません。

こうした責任の重さは、派遣に限ったことではありません。しかし「派遣だから」と軽く考えている人は、介護職者の派遣は想像している以上に責任が重い仕事であることを知っておく必要があります。

福利厚生、昇給、賞与、社会保険などがない

介護職者の派遣は、パートなどと比較すると時給は高い傾向にあります。ただ、雇用主が派遣会社であるため、基本的に福利厚生や昇給、賞与などはありません。

そのため「短期間でたくさん稼ぎたい」という人にとっては、派遣は向いているといえます。その一方で、長く勤めようと考えている人は、派遣として働くと結果的に収入が少なくなる可能性が高いです

例えば、派遣は時給が1500円で、パートの時給が900円だったとします。一見すると、派遣で働いた方が高収入のように思えます。ただ、派遣は何年勤めても昇給や賞与がないため、これ以上収入が上がることはありません。

それに対してパートであれば、勤務年数が長くなるにつれて時給が高くなる可能性が高いです。また、職場や勤務条件などによっては賞与が支給されることもあります。

こうしたことから、数ヶ月という短期間ではなく年単で勤める場合には、パートとして働いた方が結果的に収入が高くなるケースが多いです。

このように、介護職者が派遣で働く場合には「福利厚生や昇給、賞与などがない」というデメリットがあります。

派遣会社によってサービスに差がある

介護職者が派遣社員として働く場合には、人材派遣会社に登録することが必須になります。

ただ、一言で人材派遣会社といっても、介護職者を派遣している会社はたくさんあります。そして当然ながら、派遣会社によって対応や紹介してもらえる求人は異なるのが現状です。

例えば、良い派遣会社であれば、あなたの希望する条件を詳細にヒアリングした上で、あなたにマッチした求人を紹介してくれます。その一方で、派遣会社の中には地域と時給、勤務形態だけで紹介する職場を決めるようなところもあるのです。

また派遣となると、多くの場合は福利厚生や社会保険などがありません。そうした中でも、福利厚生や社会保険などを完備している派遣会社もあります。

こうしたことから、もしあなたが登録する派遣会社選びで失敗してしまうと、いいかげんな求人を紹介される可能性があります。そしてその結果、ミスマッチが生じて苦労することになります

このように、介護職者が派遣会社を使って求人を探す際には「登録する派遣会社によってサービスに大きな差がある」ということを知っておいてください。

介護職派遣の給料

介護職の派遣として働くことを考えたときに、多くの人が最初に持つのは給料に関することです。具体的には、「パートと派遣の給料額の違い」や「給料の支払いシステム」といったことです。

実際、派遣に関する給料事情を理解した上で上手く働けば、介護職の派遣として稼ぐことができます。

パートと比較した派遣の給料

既に述べたように、パートと派遣では派遣の方が時給は高い傾向にあります。これは、派遣は一般的なパート募集などと比較すると、早期に人材確保ができることが関係しています。

例えば、厚生労働省の統計(平成27年度介護従事者処遇状況等調査結果)により算出された、パート介護福祉士の平均給与額は以下のようになります。

実労働時間(時間) 平均給与額(円) 平均時給額(円)
83.1 108,500 1,305

*ここで示されているのは、介護職員処遇改善加算(1)~(4)の届出をしている事業所を対象に調べられた値です。また、平均時給は総労働時間と平均給与額から算出した数値になります。

これに対して、介護福祉士の派遣における時給は、東京などの都心部では1500~2000円となっています。地方によっては、時給800円という安い求人もありますが、基本的には派遣の方がパートよりも時給が高いのが実際です。

このように、介護職として派遣で働く場合には、パートとして勤めるよりも高い時給が得られる可能性が高いです。

料金の支払いシステム

派遣社員として働く際の給料は、職場ではなく派遣会社から支給されます。そして、派遣会社によって料金の支払いシステムはそれぞれです。

例えば、「日払い」の会社もありますし、「週払い」のところもあります。その他にも、「旬払い(15日、月末の月2回払い)」「即日払い」「当月末締め翌月末払い」など、支払い日はさまざまです。

この中でも、介護の派遣においては「旬払い」もしくは「当月末締め翌月末払い」という形をとっている会社が多いです

また支払い方法に関しては、銀行や郵貯口座への振り込みのケースが多いですが、事務所で手渡しする会社もあります。

このように、介護職の派遣における料金支払いシステムは、会社によって異なります。そのため、派遣として働く場合には、会社に対して事前に確認しておくことが大切です。

派遣で高収入を得て稼ぐことができるのか?

介護職の派遣として働いている人の中には、正社員として勤めている人よりも高い給料を得ている人も存在します。確かに、一般的な派遣社員と正社員では、賞与(ボーナス)の有無によって、正社員の方が年収は高い傾向にあります。

しかし、たとえ賞与(ボーナス)がない派遣社員でも、働き方によっては正社員以上の年収を得ることは可能です。

例えば、介護職の派遣には「夜勤専従」という働き方があります。夜勤専従とは、日勤はせずに夜勤のみで働く方法です。そして、夜勤の場合には、22時以降の「割増賃金」や「夜勤手当」が付くため、日勤よりも給料は高くなります。

さらに、2交代制の勤務体制であれば、1回の夜勤で14~16時間という長時間勤務を行う場合もあるのです。そうなると、職場や職種によって異なりますが、1回の夜勤で20,000円以上の収入を得ることができるようになります。

こうした、1回の夜勤による収入が20,000円である職場であれば、月に15日働くだけで月収30万円、年収360万円となるのです。

また、派遣として働く人の中には、仕事を掛け持ちして高い収入を得ている人もいます。会社によっては派遣社員の掛け持ちを禁止しているところも少なくありませんが、法律的には派遣社員が掛け持ちでアルバイトをすることは問題ありません。

ただ当然ながら、掛け持ちで介護の仕事をすることは楽ではありません。そのため、掛け持ちで複数の仕事を行う場合には、しっかりと収入と負担のバランスを考えながら働くことが大切です。

このように、派遣の介護職であれば「夜勤」や「掛け持ち」という手段を使うことで、高収入を得ることができます。

介護派遣の実態

介護職で派遣として働きたいと考えている人の中には、派遣の実態がわからないために、派遣登録に踏み出せない人もいます。特に、「派遣の仕事内容はどんなものであるか?」「派遣から正社員になることはできるのか?」「派遣社員の扶養や福利厚生はどうなっているのか?」といった疑問を持っている人は多いです。

そこで、ここからは介護派遣の実態について記します。

派遣は大変?

介護に限らず「派遣社員は大変」というイメージを持っている人は少なくありません。それは、「派遣社員は即戦力が求められる」ということが関係しています。

既に述べたように、事業所が派遣社員を利用するのは、緊急でスタッフを補充したい場合であることが多いです。そのため、一般的に派遣社員には、すぐに業務を行えるような人材が求められます。

例えば、急な体調不良で人員が不足した事業所が「できるだけ早くスタッフを補充したい」と考えて派遣社員を雇ったとします。このときに、全く介護経験がなく、ゼロから介護に関する知識や技術について教育しなければいけない人が派遣されたらどうでしょうか。

ただでさえ人員不足で困っているのに、こうした即戦力として働けない人が派遣されてくると、さらに現場は忙しくなります。

こうした理由から、派遣社員で仕事ができないような人は、あまり歓迎されずに苦労するケースが多いのです。

また、派遣社員の多くは残業をせずに定時で帰宅します。これは、派遣社員に残業をさせると、事業所側の負担が大きくなるためです。そして、正社員として働く人の中には、定時で帰宅する派遣社員に対して当たりが強くなる人もいます
つまり、「自分はこんなに残業しているのに、なぜあの人(派遣社員)は定時で帰宅しているのか?」という嫉妬です。

こうしたことが原因で、派遣先の社員から嫌がらせを受ける介護職者もいます。
このように介護職の派遣は、求められる能力が高かったり、社員との関係性に苦労しやすかったりするという点で「大変」と感じる人が多いです。

ただ当然ながら、派遣社員の扱い方は事業所によって異なります。実際に介護事業所の中には、派遣社員に対して研修を用意しており、ゼロから指導してくれるような職場も存在するのです。

そのため、一言で介護の派遣といっても、大変さは派遣先によって違うのが現状です。

派遣はどの地域でも求人があるのか?

介護職として派遣で働く際に、「自分の地域で介護職の派遣を行っている会社はあるのか?」という疑問を持つ人は少なくありません。結論から述べると、都道府県に限らず派遣の仕事はあります。

しかし実際には、介護職の派遣においては、東京や大阪、福岡といった都心部に集中しているのが現状です。

例えば、ある介護職の求人派遣サイトでは、同じ九州であっても福岡では介護職の派遣求人数が772件あるのに対して、長崎は2件、熊本は0件となっています。また、中国・四国地方においても、広島は187件の派遣求人が出ている一方で、岡山は26件、山口は12件しか求人がないのです。

このように、介護職における派遣の求人は全国どこにでも存在しています。ただ、求人が都心部に集中しているのが現状です。

派遣から正社員へなれるのか?

既に述べたように、派遣には「登録型派遣」と「紹介型派遣」の2つがあります。このうち、一般的に認識されている派遣のイメージは登録型派遣です。いわゆる「派遣会社に登録して、契約期間働いたら雇用関係が終了する」という働き方になります。

それに対して紹介型派遣とは、「将来的に正社員や契約社員として直接雇用を受けることを前提としたスタッフとして派遣される」というものです。
つまり、数ヶ月(最長6ヶ月)の派遣期間を終えた後に、正社員として雇用される可能性がある派遣となります。

もちろん、派遣先の施設から断られるケースも少なくありません。また、あなた自身が正社員として働くことを拒否することも可能です。ただ、「派遣で働いた後に正社員として雇用されたい」と考えている場合には、登録型派遣を活用することが大切です。

中には、登録型派遣で働いている中で、派遣先から「正社員として働かない?」と提案される人もいます。しかし、こうした人たちは一握りであり、登録型派遣から正社員として雇用されるのは難しいのが現状です。

こうしたことからも、「派遣として働いた後に正社員になりたい」と考えている人は、紹介型派遣を利用するようにしましょう。

介護職の派遣社員に残業はあるのか?

介護職の派遣として働く人の中には、「派遣社員に残業はあるのか?」ということを疑問に感じている人は多いです。派遣で働く人には、「子どもが小さいから決まった時間で働きたい」「帰宅後に家事をしなければいけないから残業はしたくない」と考えて、正社員ではなく派遣を選ぶ人も少なくありません。

実際に介護職の派遣であれば、残業なく定時で帰宅できる職場がほとんどです
既に述べたように、派遣社員を雇う側は、派遣のスタッフに対して残業を求めると、通常の賃金にプラスして残業手当を支払わなければいけません。そして、残業手当には派遣手数料が上乗せされます。つまり、派遣社員に残業させると、施設や企業側の負担が大きくなるということです。

こうした理由から、派遣として働く場合には、残業なく定時で帰宅できる場合がほとんどになります。

もちろん、派遣先の中には残業を求められる職場も存在するため、事前に確認しておくことが大切です。

派遣における扶養や福利厚生

介護職で派遣社員として働く人の中には、「扶養内で働きたい」と考えている人も少なくありません。具体的には「103万円の壁」といわれる所得税法上の扶養と「130万円の壁」と呼ばれる保険上の扶養という2つの扶養があります。

例えば、年間の所得が130万円未満であれば、保険料を支払うことなく健康保険や国民年金に加入することができます。また、103万円に満たない場合には、扶養内ということになるため、所得に対して所得税がかかりません。

このように、所得をコントロールして扶養内で働くことで、支払う税金や保険料を免除してもらうことができるのです。

そして、こうした扶養は派遣でも変わりなく適用されます。そのため、派遣であっても働く時間や日数を調整して所得を抑えることで、扶養内で勤務することができます。扶養内で働きたい場合には、派遣会社に対して事前に相談しておくと間違いないでしょう。

また介護職の派遣として働く人の中には、有給休暇や健康診断、社会保険といった「福利厚生の有無」を気にする人も多いです。

基本的に、派遣社員には福利厚生や昇給、賞与などはありません。ただ、中には希望者に対して福利厚生を完備している派遣会社もあります。例えば、介護職の派遣会社である「きらケア」は福利厚生があります。

このように、福利厚生に関しては派遣会社によって異なるのが現状です。そのため、派遣として働く場合には、福利厚生の有無に関しても事前に調べた上で、登録する派遣会社を選ぶようにしましょう。

派遣に伴うさまざまな悩み

派遣として働く介護職者の中には、派遣先でさまざまな悩みを抱えている人も少なくありません。特に「派遣先での人間関係」「派遣中の妊娠」「派遣中だけど辞めたい」という悩みを持つ人は多いです。

派遣先の人間関係

介護職の派遣として働いている人の中には、派遣先の人間関係で悩む人もいます。

例えば、「派遣先の上司である人の対応が冷たい」「他の社員と比較して自分だけ厳しく当たられる」「挨拶をしても自分だけ無視される」といった問題は多いです。そして中には、派遣先の職場で「イジメ」を受ける人もいるのです。

特に派遣の場合、立場や雇用期間の関係から、派遣先での人間関係を構築することは難しいです。また、既に述べたように派遣社員のほとんどは残業なく定時で帰宅するため、そのことに対して不満を持たれてしまうこともあります。

このように、介護職の派遣社員として働く際には、派遣先の人間関係で悩む人は少なくありません。

派遣中の妊娠

派遣として働く人の中には、派遣中に妊娠する人もいます。そのため「派遣中に妊娠した場合はどうなるのか?」ということが気になる人も多いです。

実際、派遣中に妊娠したときの対応は、派遣先によって異なるのが現状です
例えば「派遣中に妊娠して働くことが難しくなったため、契約期間を短くしてもらった」という人もいれば、「できれば契約期間まで働いてほしいと言われた」というケースもあります。

ただ基本的には、あなたの体調や希望に合わせて配慮・考慮してくれる場合がほとんどのようです。特に、介護職では体に負担がかかる仕事が多いため、もし契約期間一杯働いてほしいといわれても、業務内容を変更してくれる可能性が高いでしょう。

こうしたことからも、妊娠が発覚した場合には、できるだけ早く派遣会社に相談するようにしてください。基本的には、派遣会社に相談すれば、派遣会社から派遣先に話をしてくれます。

派遣中だけど辞めたい

介護職の派遣として働いている人の中には、「派遣中だけど辞めたい」と考える人も少なくありません。辞めたいと思う理由は、既に述べたような人間関係や妊娠など、人それぞれ異なります。

ただ、派遣期間中にあなたの都合によって契約を切ることは、基本的にルール違反です。これは民法でも定められているため、契約期間内は働くことが原則となります。

それでも途中で辞めたい場合には、まずは派遣会社の就業規則において「途中で辞める場合の規定」を確認するようにしましょう。派遣会社によって「30日前までに辞めることを届け出るように」といったルールが決められています。

そのため、途中で退職する場合には、こうした就業規則に従うようにしましょう。

もちろん、あなたが途中で辞めてしまうと、派遣会社としては派遣先からの信頼が無くなるため、必ずといっていいほど引き止められます。

そうした場合には、派遣先に相談することも一つの有効な手段です。

基本的に、雇用関係のない派遣先に相談することはルール違反です。しかし、こうしたケースの場合には、派遣先が納得することが大切であるため、派遣先の上司に話をすることは良い方法だといえます。

派遣中の悩みはどうすべきか?

ここまで述べたように、介護職者が派遣として働く場合には、さまざまな悩みがつきものです。そして、派遣中にこうした悩みを持ったときには、まずは派遣会社に相談するようにしましょう。

派遣会社に相談すれば、内容によっては派遣会社が派遣先に話をしてくれます。また、事前に相談しておくことで、契約期間が終了すれば別の派遣先を紹介してもらうことができます。ただ、派遣会社に相談しても「契約期間終了までは我慢して働いてください」といわれるケースが多いのが現状です。

もし派遣会社に相談しても問題が解消しない場合には、現場の上司に相談するようにしましょう。理解のある上司であれば、あなたの悩みを聞いた上で、何らかの行動をとってくれるはずです。

このように、派遣として働く中で問題が生じたときは、まずは派遣会社に相談するようにしましょう。そしてそれでもダメなときには、派遣先の上司に相談するようにしてください。

派遣として働ける介護職種

基本的に、介護職で派遣として働くことができない職種はありません。例えば、無資格であっても問題ありませんし、ケアマネや社会福祉士の派遣もあります。
その他にも、介護職員基礎研修や介護職員初任者研修、介護職員実務者研修の修了者、介護福祉士、社会福祉主事任用など、さまざまな職種が派遣として働くことができます。

また、派遣先のサービス形態も特別養護老人ホーム(特養)や有料老人ホーム、介護老人保健施設、デイサービスなど、限定されていません。

このように、介護職の派遣として働く場合には、職種やサービス形態を気にする必要はないのです。

今回述べたように、介護職者が派遣として働く場合「働く時間を自由に選択できる」「実務経験を積むことができる」「時給が高い」というメリットがあります。その一方で「責任が重い」「福利厚生、昇給、賞与がない」「派遣会社によってサービス内容に差がある」というデメリットもあります。

派遣介護職者として働きたいと考えている場合には、派遣として勤めるメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。特に、登録する人材派遣会社選びは慎重に行うようにしてください。

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